クリニックや病院にとって、SEO対策は重要な集患施策です。しかし、医療関連のコンテンツはYMYLジャンルに該当するため、ポイントを抑えないと成果を上げることができません。
この記事では、クリニックや病院に必要なSEO対策や取り組む際のポイントについて解説していきます。
集患に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
クリニックや病院に必要なSEO対策の種類
クリニックや病院では、以下4つのSEO対策が必要です。
- 内部対策
- 外部対策
- コンテンツSEO
- ローカルSEO(MEO対策)
それぞれ詳しく解説していきます。
内部対策
内部対策とは、Googleの検索エンジンがWebサイトの内容を理解しやすくすることです。以下のような施策を打つことで、検索エンジンにWebサイトの内容を正しく伝えられるようになります。
- XMLサイトマップの送信
- 内部リンクの最適化
- パンくずリストの設置
- メタタグの最適化
- 構造化マークアップ
いずれもクローラビリティやユーザビリティが向上するため、上位表示に欠かせません。
外部対策
外部対策とは、第三者のWebサイトからの評価を集めることで、検索エンジンからの評価を上げる施策です。主に以下の2つを獲得し、自社の評価を上げていきます。
- 被リンク
- サイテーション
被リンクとは、他サイトから自サイトに向けて貼られたリンクのことです。自社と関連性があり、専門性や信頼性が高いWebサイトからの被リンクを獲得できれば、SEO評価の向上につながります。
サイテーションは、自社やサービスの名前や住所、電話番号などを言及されることを指します。リンクが不要なため獲得ハードルが低く、SNSでの言及もサイテーションとしてカウントされます。
ただし、いずれも評価の対象になるのは自然に発生したものに限られます。順位操作を目的とした悪意のある外部対策は、ペナルティの対象にもなるため、絶対にやめましょう。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、継続的に良質なコンテンツを提供することで、検索エンジンの評価を上げる施策です。ブログやコラムのような形式で、ユーザーの役に立つ情報を発信し、ページ単位での上位表示を狙います。
たとえば、クリニックや病院であれば「突然の腹痛の対処法」「症状別の受診すべき診療科目の案内」などが有効です。困っているユーザーを助けると同時に、自社の認知も広がります。
また、作成したコンテンツは資産として蓄積されます。上位表示ページが増えるほど、Webサイトへの入り口も増加するため、将来的に安定して集患できるでしょう。
ローカルSEO(MEO対策)
ローカルSEOコンテンツとは、地域名を含めたキーワードでの検索に対して、検索結果やGoogleマップ上に自社が表示されるようにする対策です。MEO対策とも呼ばれ、クリニックや病院などの店舗型のサービスでは、外せない施策となっています。
ローカルSEOでは、以下のような施策を講じます。
- 地域名に関するキーワードを意識したサイト運営
- Googleビジネスプロフィールの充実
- SNSの活用
- Google口コミの獲得
たとえば、新宿で内科と消化器科を運営している場合、次のキーワードでの対策が有効です。
- 新宿 内科
- 新宿 消化器科
上記のキーワードで検索をする人は、病院に行く必要があるものの、どこに行くか決まっていない「今すぐ客」が多いです。上位表示できれば、そのまま来院につながる可能性が高いため、必ず対策しましょう。
クリニックや病院がSEO対策に取り組むメリット
クリニックや病院がSEO対策に取り組むと、以下2つのメリットが得られます。
- 集患や認知度の向上
- 広告費の削減
それぞれ詳しく解説していきます。
集患や認知度の向上
地域名と疾患名や診療科目を組み合わせて検索をしているユーザーは、すぐに受診したいと考えているケースが多いです。
そのため、病院やクリニックはSEO対策と相性がよく、上位表示できれば集患の増加が期待できます。また、医師や看護師の視点からお役立ち情報を発信すれば、病院の認知度を向上できます。
たとえば、健康維持のコツや季節ごとの病気の予防方法などを発信すれば、多くの人の信頼を得られるでしょう。認知度が向上すれば、受診の必要が出た際に思い出してもらえる可能性も増え、さらなる集患も期待できます。
広告費の削減
医療関連のキーワードは競争率が高く、広告料金も高価な傾向にあります。SEO対策で上位表示できれば、広告に頼らずに集患できるようになるため、費用を削減できます。
またSEO対策は資産性が高いため、成果が出ればランニングコストも不要です。広告は利用している限り費用がかかり続けるため、長期的な目線で見ると削減できる費用は計り知れません。
利益率の向上や診療単価の見直しにもつながり、患者の満足度も向上するでしょう。
クリニックや病院のホームページにSEO対策を行うときのポイント
クリニックや病院のSEO対策では、以下8つのポイントが重要です。
- YMYLとE-E-A-Tについて理解しておく
- コンテンツには著者や監修者として医師の名前を出す
- 医療広告ガイドラインや薬機法に注意する
- 競合分析を行う
- 対策キーワードは地域名+診療科目/疾患名を意識する
- 診療科目ごとにページを作る
- アクセス情報をわかりやすく記載する
- Googleビジネスプロフィールを充実させる
それぞれ詳しく解説していきます。
YMYLとE-E-A-Tについて理解しておく
医療関連のWebサイトはYMYLジャンルに該当します。そのため、他の業種に比べて対策難易度が高く、意識して対策しないと成果を上げるのは難しいです。
以下でYMYLと、合わせて重要なE-E-A-Tについて解説していきます。
YMYL
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略で健康や経済的安定、安全など、人生に影響を与える可能性があるトピックのことです。
YMYLに該当するジャンルは、誤情報によってユーザーの将来を壊してしまう可能性もあるため、Googleは特に厳しく評価しています。
医療系も該当し、上位表示にはコンテンツの有益性はもちろん、情報に対する信頼性や著者の権威性が高水準で求められます。
E-E-A-T
E-E-A-Tとは、以下4つの項目の頭文字を取った言葉です。
Experience(経験) | コンテンツを作成・運営している人や組織が、持っているそのトピックに関する知識や経験 |
Expertise(専門性) | コンテンツの内容に対する専門性 |
Authoritativeness(権威性) | コンテンツの情報ソースに対する権威性 |
Trustworthiness(信頼性) | コンテンツの内容や情報ソースに対する信頼性 |
Googleの検索品質評価ガイドラインで定義されており、良質なコンテンツを評価するための要素となっています。YMYLジャンルでは特に重要とされており、E-E-A-Tが低いWebサイトは上位表示が難しいでしょう。
コンテンツには著者や監修者として医師の名前を出す
コンテンツSEOを行う場合、各コンテンツに必ず医師や看護師の名前を出しましょう。E-E-A-Tが向上し、ユーザーの安心感にもつながります。
名前と共に顔写真や経歴、保有資格など、簡単なプロフィールを添えるとより効果的です。
医療広告ガイドラインや薬機法に注意する
医療関係のWebサイトでは、厚生労働省が策定している以下2つの項目を必ず遵守しましょう。
医療広告ガイドライン | 医療関係のWebサイトや広告を作成・出稿する際に守らなければならないガイドライン |
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律) | 医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品・再生医療等製品についての定義やルールを定めた法律 |
検索順位に直接関係はありませんが、違反すると懲役や罰金などが科せられることがあります。また、医師個人としてはもちろん、クリニックや病院の信頼をなくすことにもつながるため、必ず守りましょう。
競合分析を行う
医療関連のWebサイトは競争が激しいため、入念な競合調査が必要です。
競合医院の対策キーワードやコンテンツの内容、Webサイトの構造などを確認し、追い抜く方法を考えましょう。
対策キーワードは地域名+診療科目/疾患名を意識する
地域名に診療科目や疾患名を組み合わせて検索するユーザーは、以下のいずれかである可能性が高いです。
- 今すぐ客
- 見込み客
いずれの場合も集患に直結するキーワードであるため、必ず対策しましょう。ローカルSEOとの相性もよく、Googleマップで上位表示できれば、大きな効果が期待できます。
また検索数が少ないキーワードであっても、そのまま来院につながる可能性が高いため、積極的に対策しましょう。
診療科目ごとにページを作る
SEO対策では、1つのページで対策できるキーワードに限度があり、1ページにつき1キーワードが原則です。そのため診療科目が多い場合、トップページだけで網羅するのは現実的ではありません。
診療科目ごとにサービスページを設け、それぞれで「地域名+診療科目」で対策しましょう。ページを分ければ、専門的な内容が書きやすくなるため、SEOに良い影響も期待できます。
アクセス情報をわかりやすく記載する
検索上位に表示されても、アクセス情報がわかりづらければ、ユーザーが離脱する可能性が高まります。
クリニックや病院を探しているユーザーは急いでいることも多いです。そのため地図や住所、電話番号を明示してすぐに問い合わせられる導線設計が大切です。
ストレスなく閲覧できるデザインを意識し、来院につなげましょう。
Googleビジネスプロフィールを充実させる
Googleビジネスプロフィールに登録すれば、以下のようなメリットが得られます。
- ナレッジパネルの表示
- Googleマップ(ローカル検索)での表示
Webサイトに訪れていないユーザーにも、病院の概要やアクセス情報、口コミなどを見せられるため、集患に役立ちます。また、ローカルSEOを行う上で欠かせないため必ず登録し、情報を充実させておきましょう。
まとめ:クリニックや病院はSEO対策と相性が良い
クリニックや病院はSEO対策と相性が良いため、成功すれば大きな集患効果が期待できます。ただし、医療関連のWebサイトはYMYLジャンルに該当するため、正しい知識に基づいた施策が求められます。
E-E-A-Tや医療広告ガイドライン、薬機法を意識しながら、ユーザーに有益な情報を届けられるコンテンツを作成していきましょう。
株式会社eclore SEOコンサルタントチーム 責任者
新卒で入社しSEOの営業を年間300社以上行う。4年目でSEOコンサルチームに異動し、個人として約10社以上のコンサルをしている。マネジメントもしており、チームでは合計100サイト以上のSEOに関与。オールジャンル対応できるが、特に得意なのは歯科業界。SEOの先にある売上向上に目を向けて施策を行っている。