クリニックや病院にとって、SEO対策は重要な集患施策です。しかし、医療関連のコンテンツはYMYLジャンルに該当するため、ポイントを抑えないと成果を上げることができません。
この記事では、クリニックや病院に必要なSEO対策や取り組む際のポイントについて解説していきます。
集患に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもSEOとは?
“SEOとは、検索エンジン最適化を意味する施策です。
Webサイトの評価を高め、検索結果の上位に表示させる取り組みを指します。
特定のキーワードで検索した際、どのような順序で表示されるかはGoogleによって決められます。
SEO対策を実施することで、ユーザーがWebサイトを目にする機会が増え、歯科医院の認知度向上につながるのです。したがって、来院促進やサービス利用頻度の向上が期待できます。
クリニックや病院に必要なSEO対策の種類
クリニックや病院では、以下4つのSEO対策が必要です。
- 内部対策
- 外部対策
- コンテンツSEO
- ローカルSEO(MEO対策)
それぞれ詳しく解説していきます。
内部対策
内部対策とは、Googleなどの検索エンジンがWebサイトの内容をより正確に理解しやすくするための最適化手法です。
具体的には、サイト内のテキスト、画像、HTMLタグ、リンク構造など、サイト内部の要素を改善することを指します。
人間が視覚的にサイトを閲覧するのとは異なり、検索エンジンは「クローラー」というロボットがWebサイトを巡回して情報を収集し、ページの評価を行います。
そのため、検索エンジンがどのようにサイトを評価するかを理解し、それに合わせた対策を行うことが重要です。
クローラーは、Webサイトを巡回して内容を読み取り、ページごとに評価をつけます。
この評価データが検索エンジンのデータベース(DB)に登録されることを「インデックス」と呼びます。インデックスされることで、検索エンジンはユーザーが検索した際に、そのページを検索結果に表示できるようになります。
以下のような施策を打つことで、検索エンジンにWebサイトの内容を正しく伝えられるようになります。
- XMLサイトマップの送信
- 内部リンクの最適化
- パンくずリストの設置
- メタタグの最適化
- 構造化マークアップ
XMLサイトマップの送信
“XMLサイトマップは、サイト内のすべてのページのURLを一覧にまとめたファイルで、検索エンジンにサイト構造を伝える役割を果たします。
XMLサイトマップを検索エンジンに送信することで、クローラーがWebサイト内のページを漏れなく巡回しやすくなり、新しいページや更新されたページも早くインデックスされるようになります。
以下の記事では、XMLサイトマップについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:XMLサイトマップとは?必要性やGoogleへの送信方法を紹介
内部リンクの最適化
“サイト内のページ同士をリンクでつなぐことで、ユーザーが関連情報を探しやすくなり、滞在時間の向上にもつながります。
さらに、内部リンクを適切に設定することで、クローラーが重要なページを認識しやすくなり、SEO効果が期待できます。
たとえば、重要なページには多くの内部リンクを張ることで、検索エンジンにそのページの重要性をアピールすることができます。
以下の記事では、内部リンクについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:内部リンクのSEO効果とは?最適な設置方法も紹介
パンくずリストの設置
“パンくずリストは、サイトの階層を示すナビゲーションです。「ホーム > 診療案内 > 予防歯科」などの形式で表示され、ユーザーが自分がどの階層にいるかを把握しやすくします。
検索エンジンに対してもサイト構造を明確に伝えるため、インデックスを促進し、SEO効果が期待できます。
また、パンくずリストは検索結果にも表示される場合があり、クリック率の向上にも寄与します。
以下の記事では、パンくずリストやインデックスについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】
パンくずリストとは?SEO対策での役割や設置のポイントをご紹介!
Googleインデックス登録とは?登録方法やリクエスト方法を徹底解説
メタタグの最適化
“メタタグには、ページの内容を検索エンジンとユーザーに伝える「メタタイトル」と「メタディスクリプション」が含まれます。メタタイトルはページの主題を示し、メタディスクリプションは内容の概要を記述します。これらを最適化することで、検索結果ページでユーザーの関心を引き、クリック率を向上させることができます。
また、検索エンジンがページ内容をより正確に理解できるため、SEOにも効果があります。
以下の記事では、メタタグについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:メタタグとは?SEOにおける役割と書き方を解説
構造化マークアップ
“構造化マークアップとは、ページ内の情報を検索エンジンにわかりやすく伝えるためのタグ(Schema.orgなど)を使用してデータを整理する方法です。
たとえば、レビューやイベント情報、FAQ、製品の価格などを構造化することで、検索エンジンがデータを理解しやすくなり、リッチスニペットとして検索結果に反映されることがあります。
これにより、検索結果で目立ちやすくなり、クリック率が向上する効果が期待できます。
以下の記事では、構造化マークアップについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:構造化マークアップとは?SEOへの効果やメリット・デメリットを解説
いずれもクローラビリティやユーザビリティが向上するため、上位表示に欠かせません。
もし、内部対策が適切にできていなかった場合、どんなに素晴らしいWebサイトだったとしてもクローラーが巡回してこないため、検索エンジン上で上位表示させるのが困難になります。
そのため、内部対策が重要になってくるのです。
以下の記事では、SEOの内部対策について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:SEOの内部対策とは?目的・効果や35種類のアプローチ方法を解説
外部対策
外部対策とは、第三者のWebサイトからの評価を集めることで、検索エンジンからの評価を上げる施策です。主に以下の2つを獲得し、自社の評価を上げていきます。
- 被リンク
- サイテーション
被リンクとは、他サイトから自サイトに向けて貼られたリンクのことです。自社と関連性があり、専門性や信頼性が高いWebサイトからの被リンクを獲得できれば、SEO評価の向上につながります。
サイテーションは、自社やサービスの名前や住所、電話番号などを言及されることを指します。リンクが不要なため獲得ハードルが低く、SNSでの言及もサイテーションとしてカウントされます。
ただし、いずれも評価の対象になるのは自然に発生したものに限られます。順位操作を目的とした悪意のある外部対策は、ペナルティの対象にもなるため、絶対にやめましょう。
以下の記事では、SEOにおける被リンクを含めたSEO外部対策について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】
SEOにおける被リンクとは?獲得する5つのポイントを解説
SEOの外部対策とは?内部対策との違いや失敗しないポイントを解説
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、継続的に良質なコンテンツを提供することで、検索エンジンの評価を上げる施策です。ブログやコラムのような形式で、ユーザーの役に立つ情報を発信し、ページ単位での上位表示を狙います。
たとえば、クリニックや病院であれば「突然の腹痛の対処法」「症状別の受診すべき診療科目の案内」などが有効です。困っているユーザーを助けると同時に、自社の認知も広がります。
また、作成したコンテンツは資産として蓄積されます。上位表示ページが増えるほど、Webサイトへの入り口も増加するため、将来的に安定して集患できるでしょう。
【関連記事】
コンテンツ品質はSEOに影響する?低品質ページの影響や見分け方を解説
低品質コンテンツとは?SEOへの影響や対処法を解説
EAT対策済みの高品質コンテンツ【ランクエストSEO】
ローカルSEO(MEO対策)
ローカルSEOコンテンツとは、地域名を含めたキーワードでの検索に対して、検索結果やGoogleマップ上に自社が表示されるようにする対策です。MEO対策とも呼ばれ、クリニックや病院などの店舗型のサービスでは、外せない施策となっています。
「地域名を含むキーワード検索」や「ユーザーの位置情報にもとづく検索」において、露出を増やすための施策です。
つまり、クリニックが「地域名」で上位を狙うには、ローカルSEO施策が欠かせません。
ローカルSEO施策では、通常「Googleの自然検索(通常のリンク)」と「Googleマップ(検索結果に表示されるマップ)」の2箇所で上位を狙います。
なお、地図で上位表示するための施策は、「MEO対策」と呼ばれることもあります。
ローカルSEOでは、以下のような施策を講じます。
- 地域名に関するキーワードを意識したサイト運営
- Googleビジネスプロフィールの充実
- SNSの活用
- Google口コミの獲得
たとえば、新宿で内科と消化器科を運営している場合、次のキーワードでの対策が有効です。
- 新宿 内科
- 新宿 消化器科
上記のキーワードで検索をする人は、病院に行く必要があるものの、どこに行くか決まっていない「今すぐ客」が多いです。上位表示できれば、そのまま来院につながる可能性が高いため、必ず対策しましょう。
「地域名」で上位表示を目指すために、ぜひ実践したい4つのポイントをご紹介します。
- (1)タイトルやメタディスクリプションに地域名を含める
ページのタイトルやメタディスクリプションに地域名を盛り込むことで、検索エンジンに地域性をアピールし、地域検索で上位に表示されやすくします。 - (2)地域の患者さんに役立つコンテンツを充実させる
地域の患者さんが必要とする情報や、役立つコンテンツ(例:治療内容、よくある質問、アクセス情報など)を掲載し、地域に根ざしたWebサイトを目指しましょう。 - (3)Googleビジネスプロフィールを最適に管理する
正確な住所、営業時間、口コミなどをGoogleビジネスプロフィールに登録・管理することで、地域検索での上位表示や、Googleマップ上での視認性向上につながります。 - (4)インターネット上での露出を増やす
他のサイトやSNS、地元メディアなどで紹介される機会を増やし、Web上での露出を高めることで、信頼性や認知度が向上し、SEO効果も期待できます。
以下の記事では、ローカルSEO(MEO対策)について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】
MEO対策とは?上位表示のポイントやメリット・デメリットを解説
[SEO MEO]についてSEO専門業者に詳しく聞いてみた
クリニックや病院がSEO対策に取り組むメリット
クリニックや病院がSEO対策に取り組むと、以下2つのメリットが得られます。
- 患者様からの信頼性が高まる
- 広告費をかけずに認知度を高められる
それぞれ詳しく解説していきます。
患者様からの信頼性が高まる
“クリニックや病院がSEO対策を行うことで、患者様との信頼関係を築くことができます。
インターネット上には膨大な情報があふれていますが、正しい医療知識を発信し、それが検索結果の上位に表示されることで、患者様からの信頼度は確実に高まるでしょう。
クリニックや病院を探している患者様は、「安心して信頼できる医院にかかりたい」と考えています。
検索結果の上位に表示されるクリニックや病院は、それだけで信頼性が高いと感じられる傾向があります。
このような理由からも、クリニックや病院がSEO対策に取り組むことは非常に重要です。
広告費をかけずに認知度を高められる
“「クリニックや病院の集患力を高めたい」「サイトへのアクセスを増やしたい」と考えた際、多くの方が真っ先にWEB広告を思い浮かべるかもしれません。
確かに、リスティング広告などのWEB広告には即効性があり、一定の効果を期待できますが、費用がかさむのも事実です。
そこで検討したいのが「SEO対策」です。
SEO対策では、広告のように多額の費用をかけることなく、既存のWebサイトを改善していくことで、長期的に集患やアクセス数の増加が見込めます。
持続的な効果が期待でき、費用対効果も高いため、集患力やアクセス数を費用を抑えて伸ばしたいとお考えなら、ぜひSEO対策に取り組んでみてください。
クリニックSEOの最新動向とトレンド
医療機関にとって、患者さんとの出会いをつくることは地域医療への貢献の観点からも大切です。
そして、現代ではその出会いの場を広げる手段として、インターネットが大きな役割を果たしています。
患者さんがクリニックを探す際、まず最初にインターネット検索を利用する人が増えており、クリニックのウェブサイトが検索結果の上位に表示されることは、新規患者の獲得において重要なポイントです。
そのため、クリニックのウェブサイトを検索エンジンで上位表示させる「クリニックSEO」の重要性がますます高まっています。
クリニックSEOでは、基本的なSEO対策に加え、患者体験の向上や専門性の証明がさらに重視される傾向にあります。
医療は人々の命と健康に関わる分野であり、検索エンジンもその情報を提供するウェブサイトに対して、高い信頼性と専門性を求めています。
患者にとって有益で信頼できる情報を提供することで、検索エンジンからの評価が高まり、地域の患者さんとのつながりも一層深まるでしょう。
患者体験の向上
ウェブサイトを訪れた患者さんが必要な情報にスムーズにアクセスでき、安心して医療機関を受診できるようにするためには、サイトのデザインやコンテンツに工夫が必要です。
以下のポイントを押さえて、患者さんにとって使いやすいサイトを目指しましょう。
- ・わかりやすさ
専門用語を避け、イラストや図を効果的に使って、医療の知識がない方にも理解しやすい表現を心がけましょう。たとえば、小児科であれば、子どもでもわかりやすいイラストや親しみやすい表現を取り入れると効果的です。また、診療内容や手続きに関する説明も簡潔でわかりやすくまとめると、患者さんが安心感を持って診療を選びやすくなります。 - ・使いやすさ
スマートフォンやタブレットからも快適に閲覧できるように、スマートフォン対応のデザインにすることが重要です。また、ページの読み込み速度を改善し、ストレスなく閲覧できる環境を整えましょう。予約システムを導入している場合は、わかりやすく直感的に操作できるシステムを選ぶと、患者さんがスムーズに予約でき、利便性が高まります。
このように、わかりやすさと使いやすさを意識したウェブサイト作りは、患者さんにとって「安心して受診できる医療機関」と感じてもらうための重要な要素です。
専門性の証明
検索エンジンは、Webサイトの情報が信頼できる医療機関から発信されているかどうかを重視しています。
クリニックの専門性や信頼性をアピールするために、医師の紹介や地域医療への貢献などを積極的に示しましょう。
- 医師の紹介:
医師の経歴、専門分野、所属学会、資格などを詳しく紹介することで、患者さんに安心感を与えることができます。専門性の高い医療機関であれば、研究論文や学会発表の実績も掲載すると、信頼性がさらに高まります。医師がどのような分野で実績を積んできたかを具体的に示すことで、専門性への信頼を築くことができます。 - 地域医療への貢献:
地域に根ざした医療機関であることを示すために、地域の健康イベントやセミナーの情報、健康に関するコラムなどを掲載しましょう。たとえば、地域の学校医や産業医として活動している場合は、その取り組みについても紹介すると効果的です。地域医療に貢献している姿勢を示すことで、患者さんや検索エンジンからの信頼度が向上します。 - 正確な医療情報の発信:
根拠に基づいた正確な医療情報を提供することは、医療機関の信頼性を示す重要なポイントです。最新の医療情報やガイドラインを反映し、情報の信頼性と正確性を常に高めていきましょう。医療情報は、人の健康や生活に大きな影響を与えるため、Googleが特に信頼性を重視するYMYL(Your Money or Your Life)分野に該当します。こうした分野でのSEO対策では、常に正確で最新の情報を発信することが求められます。
これらの取り組みにより、検索エンジンに「信頼できる情報源」として認識されるだけでなく、患者さんにとっても信頼できる医療機関であると感じてもらえるでしょう。
クリニックや病院のホームページにSEO対策を行うときのポイント
クリニックや病院のSEO対策では、以下18つのポイントが重要です。
- YMYLとE-E-A-Tについて理解しておく
- コンテンツには著者や監修者として医師の名前を出す
- 医療広告ガイドラインや薬機法に注意する
- 競合分析を行う
- 症状や診療科、治療名を含むキーワード設定
- サイトに上位表示したいKWを加える
- 検索意図を踏まえた記事を制作する
- ユーザーの利便性を重要視する
- 対策キーワードは地域名+診療科目/疾患名を意識する
- 診療科目ごとにページを作る
- 各種ページの内部リンクを調整する
- 医療関連のサイトから被リンクをもらう
- サイテーションを獲得する
- アクセス情報をわかりやすく記載する
- Googleビジネスプロフィールを充実させる
- アクセス解析及びリライト
- SEO対策を踏まえたホームページ設計
それぞれ詳しく解説していきます。
YMYLとE-E-A-Tについて理解しておく
医療関連のWebサイトはYMYLジャンルに該当します。そのため、他の業種に比べて対策難易度が高く、意識して対策しないと成果を上げるのは難しいです。
以下でYMYLと、合わせて重要なE-E-A-Tについて解説していきます。
YMYL
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略で、健康や経済的安定、安全といった、ユーザーの人生に大きな影響を及ぼす可能性があるトピックを指します。
具体的には、医療、法律、金融、安全に関する情報などが含まれ、これらの分野で誤った情報が提供されると、ユーザーの生活や将来に深刻な影響を与える恐れがあるため、Googleは特に厳しく評価しています。
医療分野もYMYLに該当するため、検索結果で上位に表示されるためには、コンテンツが有益であるだけでなく、情報の信頼性や著者の権威性も重視されます。
これは、医療情報が誤って伝わることで、健康に悪影響を及ぼすリスクがあるためです。医療機関のウェブサイトでは、正確で最新の医療知識を提供し、医師や専門家による監修や執筆が明示されていることが、SEOにおいても重要な評価ポイントとなります。
以下の記事では、YMYLについてさらに詳しく解説しているので、クリニックのSEO対策を考える上でぜひ参考にしてください。
関連記事:SEOにおけるYMYLとは?具体的なジャンルと対策のポイントを解説
E-E-A-T
E-E-A-Tとは、以下4つの項目の頭文字を取った言葉です。
Experience(経験) | コンテンツを作成・運営している人や組織が、持っているそのトピックに関する知識や経験 |
Expertise(専門性) | コンテンツの内容に対する専門性 |
Authoritativeness(権威性) | コンテンツの情報ソースに対する権威性 |
Trustworthiness(信頼性) | コンテンツの内容や情報ソースに対する信頼性 |
Googleの検索品質評価ガイドラインで定義されており、良質なコンテンツを評価するための要素となっています。YMYLジャンルでは特に重要とされており、E-E-A-Tが低いWebサイトは上位表示が難しいでしょう。
コンテンツには著者や監修者として医師の名前を出す
コンテンツSEOを行う場合、各コンテンツに必ず医師や看護師の名前を出しましょう。E-E-A-Tが向上し、ユーザーの安心感にもつながります。
名前と共に顔写真や経歴、保有資格など、簡単なプロフィールを添えるとより効果的です。
コラムに監修者や著者情報を明示することで、ページ単体の「信頼性」や「権威性」を高めることができます。
しかし、医師であれば誰でも良いわけではなく、コラム内容に関連した専門知識や実績を持つ医師や専門家であることが重要です。
例えば、糖尿病に関するコラムであれば、糖尿病専門医が監修することで、内容の信頼性が大幅に向上します。
この場合、記事の冒頭や末尾に監修者の名前や経歴を掲載するだけでなく、顔写真や専門分野、保有資格、実績など、簡単なプロフィールを添えると、より一層の効果が期待できます。
これにより、検索エンジンや読者がその情報源を信頼しやすくなり、SEO評価にもプラスの影響を与えます。
また、監修を外部の専門家に依頼する場合は、依頼する前にサイトに掲載する情報の範囲を確認しておきましょう。
名前や経歴を公開できる専門家であることが望ましく、信頼できるプロフィール情報を共有してもらうことが肝心です。
こうした取り組みは、Googleが評価基準としている「E-E-A-T」(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness:経験、専門性、権威性、信頼性)にも深く関わります。
E-E-A-Tの観点からも、関連分野の専門家による監修や情報の信頼性を高める工夫は不可欠です。
詳しくは、E-E-A-Tについて解説した以下の記事をご覧ください。医療系コンテンツを充実させる際のポイントとして、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:E-E-A-Tとは?Googleで重視される理由とSEOにおける対策方法を解説
医療広告ガイドラインや薬機法に注意する
医療関係のWebサイトでは、厚生労働省が策定している以下2つの項目を必ず遵守しましょう。
医療広告ガイドライン | 医療関係のWebサイトや広告を作成・出稿する際に守らなければならないガイドライン |
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律) | 医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品・再生医療等製品についての定義やルールを定めた法律 |
検索順位に直接関係はありませんが、違反すると懲役や罰金などが科せられることがあります。また、医師個人としてはもちろん、クリニックや病院の信頼をなくすことにもつながるため、必ず守りましょう。
競合分析を行う
医療関連のWebサイトは競争が激しいため、入念な競合調査が必要です。
競合医院の対策キーワードやコンテンツの内容、Webサイトの構造などを確認し、追い抜く方法を考えましょう。
以下の記事では、競合分析についてさらに詳しく解説しているので、クリニックのSEO対策を考える上でぜひ参考にしてください。
関連記事:競合サイトの分析方法とは?比較の手順やおすすめツールを紹介
症状や診療科、治療名を含むキーワード設定
キーワード選定とは、SEO対策で使用するキーワードを適切に選び出すことで、狙った患者さんをクリニックに来院させる効果があるため、非常に重要な工程です。
キーワード選定を誤ると、次のような問題が発生することがありますので注意が必要です。
・対象とする患者がコンテンツにたどり着けない
・検索で上位表示されても、意図した患者がアクセスしない
そのため、適切なキーワード選定が不可欠です。
特に、症状や診療科、治療名を含むキーワード設定が重要です。たとえば、「インフルエンザ」「小児科」「胃カメラ」などの症状・診療科・検査名や治療名は、多くの患者さんが検索する傾向にある「ビッグキーワード」として利用できます。
これらのキーワードは検索ボリュームが多く、患者さんが関心を持つ情報に直接結びつくため、クリニック・病院のSEO対策では非常に有効です。症状や診療科ごとにキーワードを設定することで、幅広い患者層にアプローチできます。
さらに、地域名を含むキーワード設定も有効です。
たとえば、エリア名と疾患名の組み合わせでキーワードを設定し、それらに関連するキーワードを細かく洗い出しましょう。
「新宿×統合失調症」の場合、「新宿 メンタルクリニック おすすめ」「心療内科 新宿」などのキーワードが候補に挙げられます。
また、Googleは関連キーワードを広く対策しているサイトを高く評価する傾向があるため、サジェストキーワードも適切に洗い出すことが大切です。
サジェストキーワードとは、検索エンジンがユーザーの検索意図を予測して提案する候補のキーワードです。
サジェストキーワードを取り入れることで、患者さんが求める内容にさらに近い情報を提供でき、SEO効果が高まります。
以下の記事では、以下の記事では、キーワード選定についてさらに詳しく解説しているので、クリニックのSEO対策を考える上でぜひ参考にしてください。
関連記事:SEOの基本はキーワード選定から!選び方やツールまで徹底解説
サイトに上位表示したいKWを加える
まず、サイトに上位表示させたいキーワードを適切に含めないと、検索エンジンのクローラーに認識されにくくなります。
たとえば、「内科 品川」で上位表示を狙いたい場合、タイトルに「品川の内科XXクリニック」といったキーワードを含めることで、検索エンジンに内容が伝わりやすくなります。
また、キーワードはタイトルだけでなく、H2タグなどの見出しにも含めるとさらに効果を発揮します。
見出しにキーワードを入れることで、ページ全体の構造が明確になり、検索エンジンもページ内容を把握しやすくなります。
検索意図を踏まえた記事を制作する
“最後に、検索意図を踏まえた記事を作成することが重要です。
検索意図とは、ユーザーが検索エンジンにキーワードを入力した際の「検索の目的」を指します。クリニックの場合、多くのユーザーが何らかの症状や健康に関する疑問を解決したいと考えていることが多いでしょう。
検索意図は大きく4つに分類できます。
- ・「〇〇を知りたい」(KNOW)
特定の情報を知りたいときに検索されるクエリで、病気や症状に関する情報、治療方法などが該当します。 - ・「〇〇に行きたい」(GO)
特定の場所に行きたいときに使われるクエリで、「病院・クリニックに行きたい」と考えるユーザーが多いクリニックでは、これが主要な検索意図になります。 - ・「〇〇したい」(DO)
特定のアクションを実行したい場合に使われるクエリで、「オンライン予約をしたい」や「カウンセリングを受けたい」といったアクションが該当します。 - ・「〇〇を買いたい」(BUY)
商品購入の意図を持つクエリで、クリニックにおいては検査キットやオンラインでの健康相談サービスの利用などが該当する場合もあります。
病院・クリニックでは「〇〇に行きたい(GO)」クエリが中心となることが多いので、「行ってみたい」と感じてもらえるような魅力的で信頼感のある記事を作成することが大切です。
さらに、クリニックのサイトに訪れるユーザーがどのような情報を求めているかを考慮し、ニーズに沿ったコンテンツを提供しましょう。
たとえば、以下のような情報は、ユーザーにとって有益で、信頼を得るための重要な要素です。
- ・健康に関するアドバイスや病気予防の方法
・クリニックで提供している診療内容の詳細
・医師やスタッフの専門性やクリニックの特徴
こうしたニーズに合った情報を提供することで、ユーザーの信頼を得るだけでなく、検索エンジンからも評価されやすくなり、クリニックへの集患力が高まります。
ユーザーの利便性を重要視する
“SEOにおける効果的なサイト運営では、訪問したユーザーが必要な情報に簡単にアクセスできる設計が不可欠です。
具体的には、サイト内にキーワードで検索できる検索機能を設置し、ユーザーが求める情報にすぐにたどり着けるようにしましょう。
また、テキストを読みやすくするための文字装飾や、情報を視覚的に補完する画像の適切な選定も重要です。
さらに、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスに対応したレスポンシブデザインを採用することで、どの端末でも快適に閲覧できる環境を提供することが大切です。
こうしたユーザーエクスペリエンス(UX)の向上は、ユーザーのサイト滞在時間を伸ばし、結果的に検索エンジンからの評価も高めます。
対策キーワードは地域名+診療科目/疾患名を意識する
地域名に診療科目や疾患名を組み合わせて検索するユーザーは、以下のいずれかである可能性が高いです。
- 今すぐ客
- 見込み客
いずれの場合も集患に直結するキーワードであるため、必ず対策しましょう。ローカルSEOとの相性もよく、Googleマップで上位表示できれば、大きな効果が期待できます。
また検索数が少ないキーワードであっても、そのまま来院につながる可能性が高いため、積極的に対策しましょう。
診療科目ごとにページを作る
SEO対策では、1つのページで対策できるキーワードに限度があり、1ページにつき1キーワードが原則です。そのため診療科目が多い場合、トップページだけで網羅するのは現実的ではありません。
診療科目ごとにサービスページを設け、それぞれで「地域名+診療科目」で対策しましょう。ページを分ければ、専門的な内容が書きやすくなるため、SEOに良い影響も期待できます。
例えば、内科・消化器内科・内視鏡内科を診療科目としている場合、それぞれの診療科目ごとに専用ページを作成し、対応する疾患、検査方法、検査の流れといった詳細情報を記載します。
診療科目ごとにページを分けることで、ユーザーは目的の診療科に関する情報に直接アクセスできるようになり、利便性が向上します。
さらに、診療科目や疾患名といった特定のキーワードで各ページを最適化することで、検索エンジンが情報を的確に理解しやすくなり、SEOの評価も高まります。
専門性を強調し、情報を整理してわかりやすく提示することで、ユーザーからも信頼されやすいページが構築され、クリニックの専門性や信頼性も高めることができます。
各種ページの内部リンクを調整する
内部リンクを適切に設置することは、SEO対策において非常に重要です。
検索エンジンは、クローラーというロボットがサイト内のリンクをたどりながらページを巡回し、それぞれのページを評価して検索順位を決定します。
内部リンクを整えることでクローラーがサイト内をスムーズに巡回できるようになり、全体の評価が向上し、検索エンジンから適切な評価を獲得しやすくなります。
たとえば、消化器内科のページから逆流性食道炎に関する解説ページや、担当医師の紹介ページへ内部リンクを設置すると、クローラーがサイト内でページ間の関連性を理解しやすくなり、ページ同士が相互に補完されます。
また、ユーザーにとってもサイト内の回遊がしやすくなり、関連情報を簡単に見つけられるようになります。
これにより、クリニックの特徴や診療内容など多くの情報に触れる機会が増え、ユーザーの満足度が向上するとともに、SEO効果も期待できます。
医療関連のサイトから被リンクをもらう
他の医療関連サイトから被リンクを獲得することは、サイトの「権威性」や「信頼性」を高める効果があります。
被リンクとは、他のサイトが自分のサイトにリンクを設置することで、特に信頼性の高い医療機関からのリンクは、Googleの評価を大きく向上させる要素となります。
たとえば、大学病院の公式サイトに自クリニックのページがリンクされている場合、そのクリニックはGoogleから信頼性の高いサイトと認識され、検索結果の上位に表示されやすくなります。
このように被リンクを獲得するためには、「引用したい」と思われるような価値あるコンテンツを作成することが必要です。
たとえば、独自の調査結果や医療の専門知識をわかりやすくまとめたコンテンツを公開することで、内容のオリジナリティが高まり、他の医療関連サイトやユーザーが参考元としてリンクを設置してくれる可能性が高まります。
サイテーションを獲得する
サイテーションとは、他のサイトやSNS上で特定のサイト名やブランド名が言及されている状態を指します。
クリニックのサイトの場合、「クリニック名」「住所」「電話番号」などがサイテーションとして扱われ、これらが多くの場所で言及されることで、検索エンジンはそのクリニックの信頼性や知名度を認識しやすくなります。
また、サイテーションは認知度の向上にもつながるため、広告配信やInstagramなどのSNS活用もおすすめです。
広告やSNSを利用する際には、ユーザーにクリニックの名前を覚えてもらえるよう、コンテンツ内に必ず院名を明記しましょう。
Instagramでの投稿や広告の中でクリニック名を繰り返し認識させることで、オフラインでも「サイテーション効果」が期待できます。
サイテーションには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
たとえば、情報が古いまま放置されていると、誤った情報が流布されてしまうリスクがあるため、定期的に確認し、最新情報に更新することが重要です。
サイテーションのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:サイテーションとは?概要や獲得方法・SEO効果について解説!
アクセス情報をわかりやすく記載する
検索上位に表示されても、アクセス情報がわかりづらければ、ユーザーが離脱する可能性が高まります。
クリニックや病院を探しているユーザーは急いでいることも多いです。そのため地図や住所、電話番号を明示してすぐに問い合わせられる導線設計が大切です。
ストレスなく閲覧できるデザインを意識し、来院につなげましょう。
Googleビジネスプロフィールを充実させる
Googleビジネスプロフィールに登録すれば、以下のようなメリットが得られます。
- ナレッジパネルの表示
- Googleマップ(ローカル検索)での表示
Webサイトに訪れていないユーザーにも、病院の概要やアクセス情報、口コミなどを見せられるため、集患に役立ちます。また、ローカルSEOを行う上で欠かせないため必ず登録し、情報を充実させておきましょう。
ペナルティとなる行為に気を付ける
検索エンジンは、不正なSEO対策やスパム行為に対して厳しいペナルティを課すことが多く、これによりサイトの評価が大きく低下するリスクがあります。
たとえば、検索キーワードを不自然に詰め込んだり、外部サイトへのリンクを過剰に貼り付けたりする行為は、スパム行為として見なされやすくなります。
また、他のサイトからのコンテンツをそのままコピーして使用する「コピーコンテンツ」も、検索エンジンの評価を下げる要因となります。
これらの行為に対してペナルティが課されると、検索結果での順位が大幅に下がり、集患効果も大幅に低下してしまいます。
こうしたリスクを避けるためには、ユーザーにとって有益で品質の高いコンテンツを提供し続ける、正当なSEO対策が不可欠です。
検索エンジンは、ユーザーに価値のある情報を提供するサイトを評価します。
以下の記事では、GoogleペンルティやブラックハットSEOについてさらに詳しく解説しているので、クリニックのSEO対策を考える上でぜひ参考にしてください。
【関連記事】
Googleのペナルティとは?原因や確認・対処法について解説
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い|SEO会社が教える安全なSEO対策
アクセス解析及びリライト
公開したコンテンツの効果を最大化するために、アクセス解析を行い、パフォーマンスを把握しましょう。
アクセス解析で確認すべきポイントは多岐にわたりますが、まずは以下の3点に注目して改善を図ることが重要です。
- 流入しているキーワード
まず、どのキーワードでユーザーが流入しているかを確認しましょう。たとえば、「毎朝 嘔吐」をターゲットにしたコンテンツに「嘔吐 タイミング」というキーワードでユーザーが訪れている場合、既存の記事に「嘔吐のタイミングによって考えられる症状」などの内容を追加することで、さらに多くのユーザーのニーズに応えることができます。こうしたキーワードの分析は、コンテンツの改善や拡充に役立ちます。 - 滞在時間
滞在時間が長いほうが、ユーザーがコンテンツに興味を持ち、有益な情報と感じている証拠です。滞在時間が短い場合、内容が不足しているか、読みにくいと感じられている可能性があるため、コンテンツの充実やレイアウトの見直しを検討しましょう。ユーザーが長く滞在するページは、来院につながりやすく、SEO的にも評価されやすくなります。 - 遷移先
コンテンツから問い合わせページや予約ページなど、重要なページへユーザーがスムーズに遷移しているかを確認します。もし適切な遷移ができていない場合、リンクの配置を見直したり、遷移を促すボタンを追加したりすると効果的です。適切な遷移が確保されていると、SEO評価にもプラスの影響があります。
その他にも、SEOでは多くの指標がありますが、まずは上記3つのポイントをチェックし、数値が低い場合はコンテンツを改善しましょう。
アクセス解析を定期的に行うことで、コンテンツの質を高め、ユーザー満足度や検索順位の向上につなげることができます。
以下の記事では、アクセス解析やリライトについてさらに詳しく解説しているので、クリニックのSEO対策を考える上でぜひ参考にしてください。
【関連記事】
アクセス解析で見るべきポイントは?成功のためのポイントも解説
【SEO リライト】についてSEOの専門家に詳しく聞いてみた
SEO対策を踏まえたホームページ設計
“次に、Googleの公式文書を基に、SEO効果を上げるためのホームページ構成や作り方について解説します。
特に以下の2つのポイントが効果的です。
- 類似トピックをまとめる
関連性のあるトピックを1つのページやカテゴリにまとめることで、検索エンジンにとって内容がわかりやすくなり、専門性が評価されやすくなります。
たとえば、内科系の疾患や治療方法を一つのカテゴリにまとめることで、サイト全体の構造が整理され、SEO効果が高まります。 - 関係機関へのリンクを設置する
公的機関や医療団体、関連する専門機関へのリンクを設置することで、サイトの信頼性が向上します。
検索エンジンも信頼性の高いサイトと判断し、評価にプラスの影響を与える可能性が高まります。
既存のページを見直し、これらのポイントを取り入れることで、大きなSEO効果が期待できるでしょう。
まとめ:クリニックや病院はSEO対策と相性が良い
クリニックや病院はSEO対策と相性が良いため、成功すれば大きな集患効果が期待できます。ただし、医療関連のWebサイトはYMYLジャンルに該当するため、正しい知識に基づいた施策が求められます。
E-E-A-Tや医療広告ガイドライン、薬機法を意識しながら、ユーザーに有益な情報を届けられるコンテンツを作成していきましょう。