ユーザー行動を把握するための指標に、滞在時間があります。滞在時間とは、ユーザーがサイト内に滞在していた時間のことです。
しかし、どのように滞在時間を活用すればいいかお悩みの方もいるでしょう。
そこで今回は、滞在時間とSEOの関係性や改善するポイントを解説します。サイト改善を図りたいWeb担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
SEOにおける滞在時間とは?
SEOにおける滞在時間とは、訪問者がWebサイトに留まった時間のことです。ユーザーが閲覧を開始してから、他のサイトに移動したりブラウザを閉じたりなど、サイトを離れるまでの時間を指します。
滞在時間が長ければ、ページに対するユーザーの関心が高いと判断できます。そのため、SEOにおいても滞在時間が重視されており、ユーザーの関心や評価を予測する際の指標として活用できるのです。
滞在時間はSEOに直接影響しない
滞在時間は、SEOに直接的は影響を与えません。
Googleは2016年に「Google Webmaster Central office hours hangout」で、滞在時間が検索結果に影響を与えることはないとの声明を発表しています。
ただし、検索結果の品質向上やアルゴリズムの改良に、滞在時間が用いられることはあるようです。また上記の発表は2016年時点であり、滞在時間の指標がアルゴリズムにどう影響しているかはわかっていません。
SEOにおいてユーザー行動が重要
Googleは、ユーザーにとって価値のあるページを上位表示したいと考えています。そのためSEOの基本は、ユーザーの満足度を高められるWebサイトを作ることです。
しかし、ユーザーが訪れたページの内容に満足しているかは、正確に判断できません。
そこで、訪問者が満足しているかどうかを知る手がかりとなるのが、ユーザー行動です。滞在時間の長いページは、ユーザーの関心にとって有用である可能性が高いといえます。
したがって、滞在時間を参考にしながら改善を図ることでユーザーの満足度が向上し、SEOにおいても間接的に好影響を与えられるのです。
滞在時間を改善するポイント
滞在時間を改善するためには、下記のポイントを意識しましょう。
- 検索クエリに基づいたページにする
- 読みやすいページにする
- ユーザビリティの高いWebサイトにする
- 内部リンクを増やして回遊しやすくする
- ページの表示速度を改善する
ポイントを踏まえ、サイト改善に役立ててください。
検索クエリに基づいたページにする
検索クエリとは、ユーザーが実際に検索したキーワードのことです。
ページが検索クエリに沿った内容であれば、ユーザーはそのサイトを閲覧するだけでニーズを満たせます。検索クエリに基づく内容か調べるために、ページに流入しているキーワードとユーザーの検索意図が合っているかを確認しましょう。
Googleサーチコンソールの検索パフォーマンスから、検索クエリを確認できます。競合のコンテンツを調べ、サジェストや関連キーワードをもとに改善すれば、検索意図に合致した質の高いコンテンツになります。
読みやすいページにする
滞在時間を伸ばすために、ユーザーが内容を理解できるよう読みやすいページにしましょう。文章を簡潔にしたり、箇条書きや見出しを活用したりすることで、ユーザーの理解を促せます。
反対に、ページ内の見出しがまとまっていなかったり、何が書いているか読みにくかったりするコンテンツは、ユーザーの離脱を招きます。
読みやすいページはユーザーのストレス軽減につながり、満足度を高められるでしょう。
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ユーザビリティの高いWebサイトにする
ユーザビリティとは、ユーザーの使いやすさや利便性を示す言葉です。サイトのユーザビリティを高めるためには、ユーザーがサイトを訪れた際に、簡単に操作できるようにすることが重要です。
たとえば、誤クリックしないようにボタン型のリンクを採用したり、視認性の高いデザインにしたりすることで、利便性が向上します。
また日本では、PCよりモバイル端末でアクセスするユーザーが過半数を占めます。そのため、PCだけでなくモバイル端末にも配慮したサイトに最適化することで、ユーザーの滞在を促進できるでしょう。
内部リンクを増やして回遊しやすくする
適切に内部リンクを設置することで、ユーザーが関連するページに移りやすくなります。
たとえば「SEOとは」などの大きなトピックを扱うキーワードでコンテンツを作成する場合は、内部リンクが不可欠です。具体的な施策を掘り下げた別ページのリンクを追加することで、ユーザーのより深い悩みも解決できるページになります。
ページの表示速度を改善する
ページの読み込み速度が改善されると、ユーザーの離脱を防げます。
Googleの研究データによると、ページ読み込み速度が3秒以上かかると、ユーザーの53%が離脱することが明らかにされています。つまり、読み込みに時間がかかるほど、滞在時間の低下を招くのです。
改善するためには、画像や動画などのファイルサイズを削減したり、不要なタグを削除したりなど、ページ内のデータを減らすことが有効です。
滞在時間はGoogleアナリティクスで調べられる
サイトの滞在時間は、Googleアナリティクスの平均セッション時間・平均ページ滞在時間で確認できます。
平均セッション時間 |
ページを閲覧し始めてからサイトに留まった平均時間 |
平均ページ滞在時間 |
特定のページで滞在した平均時間 |
平均セッション時間は、閲覧を開始したときから、次に閲覧したページの開始時間との差を計測したものです。
なお最後に見たページは、次のページとの時間差を求めることができないため、計測に含まれません。またGoogleアナリティクスを参考に滞在時間を調べる際、下記2つのポイントを押さえましょう。
- 特定の指標のみを参考にしない
- 0秒になるケースもある
ポイントを踏まえて、滞在時間の指標を有効活用してください。
特定の指標のみを参考にしない
滞在時間はユーザー行動を確認するための指標となります。
しかし、特定のデータのみ参考にすると、現状を正しく捉えられない可能性もあるのです。サイト全体の平均ページ滞在時間のみをチェックしただけでは、ユーザーの満足度が低いページを見落としてしまいます。
そのため、それぞれのページを比較して、平均ページ滞在時間の推移を確認するのがおすすめです。複数の指標を参考にすることで、よく読まれるページの傾向や、リライト後の数字の変化などを把握できます。
0秒になるケースもある
Googleアナリティクスの平均ページ滞在時間を確認すると、0秒と表示されるケースがあります。ページにたどり着いたユーザーが直ちに離脱したと思われるかもしれません。
しかし、ユーザーが即座にページから離脱したわけではありませんので、安心してください。
Googleアナリティクスの仕様上、ユーザーが直帰(サイト内の他のページを閲覧せずに離脱)した場合の平均ページ滞在時間は、0秒と計測されます。これは、他のページを開くまでの時間差を求める計算方法となっているためです。
流入したページしか読まれなかったり、ユーザーが最後に訪れたページだったりすると、0秒とカウントされます。
滞在時間の目安は?
滞在時間の目安や基準は、サイトやページの目的によって異なります。
たとえばユーザーが知りたい情報を網羅的に詰め込んだページは、じっくり読んでもらうことが望ましいでしょう。一方、ボリュームの少ないコンテンツや、すぐにコンバージョンへとつなげたいページの場合は、その限りではありません。
このように、目的や内容によって滞在時間は前後するため、ページごとに分析するとよいでしょう。滞在時間が適正な長さになっているかを確認しながら、ページを改善することが重要です。
まとめ:滞在時間を伸ばすにはユーザー視点でコンテンツを作成しよう
滞在時間の指標を参考にすることで、どの程度ユーザーにとって関心を持たれているかを捉えられます。
短い動線でコンバージョンにつなげたい場合や、ボリュームの少ないコンテンツを除き、基本的に滞在時間は長いほうがユーザーに好まれている傾向があるといえるでしょう。
Googleアナリティクスの指標をチェックしながら、滞在時間を改善できるようブラッシュアップしてみてください。
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