SEOは不確定な要素が多く、シミュレーションが難しいとされています。
しかし、シミュレーションを実施する上での手順やポイントは存在します。手順やポイントがわからないままシミュレーションしても、良い結果にはつながりません。
本記事では、SEOのシミュレーションを実施する時の手順やポイントを解説します。
シミュレーションで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
SEOのシミュレーションとは?
SEOのシミュレーションはサイトの状態・ターゲットキーワード・SEO施策の影響などを考慮し、成果を予測することです。SEO施策の費用対効果を検証する際に役立ち、サイト運営においてはシミュレーションの結果をもとに、戦略の立て直しも必要です。
またシミュレーションを実施する方法は2つあります。
- 自身でシミュレーションツールを使う
- SEOコンサルタントや企業へ外注する
本記事ではおもに自身でシミュレーションツールを駆使して実施する際の、手順やポイントを解説します。
SEOのシミュレーションを実施する手順
SEOのシミュレーションは、主に以下の手順に沿って進めます。
- サイトの現状を把握する
- 目標を設定する
- 施策を決定する
- 施策の実行計画を立てる
- 施策の効果を追跡する
では、それぞれ詳しく解説します。
サイトの現状を把握する
まずは下記の指標を参考に、サイトの現状を把握しましょう。
見るべき指標 | 概要 |
---|---|
セッション/ページビュー数 | ユーザーがサイトに訪問した数と、サイト内でページを閲覧した数のこと。 |
平均セッション時間 | ユーザーがサイトに滞在していた時間。 短いとすぐに離脱している可能性がある。 |
直帰率 | サイトに訪れたユーザーが1ページだけを見て離脱した割合。 直帰率が高いと、サイトと検索クエリがミスマッチしている可能性がある。 |
コンバージョン率 | サイトの訪問者が、資料請求や商品購入などの行動につながった割合。 キーワードによっては、直接コンバージョンにつながらないケースもある。 |
キーワードの検索順位 | ターゲットキーワードに対してのコンテンツの掲載順位。 順位の難易度はキーワードのボリューム等で変わる。 |
月間の検索数(ボリューム) | 月間で対象キーワードがどれくらい検索されるかを示す。 キーワードにより検索数は大きく変わる。 |
月間の流入数 | ターゲットキーワードでのサイトへの流入数。 検索クエリとコンテンツのミスマッチや、SEOライティングが不十分だと流入数が下がりやすい。 |
上記の指標を、Google AnalyticsやGoogle Search Console等を活用し洗い出します。中でもSEO施策の要となる、キーワードの洗い出しは重要です。
SEOのシミュレーションではキーワードの分析が焦点となるため、ターゲットキーワードのほか、実際にサイトへ流入しているクエリも含めて洗い出しましょう。
【関連記事】
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直帰率とは?離脱率との違いや改善方法を解説
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目標を設定する
サイトの現状を把握したら、達成したい目標を定めましょう。KGI(Key Goal Indicator)と呼ばれるもので、これが定まっていないと方向性がずれるため、必ず設定しましょう。
なおKGIを設定する際には、以下の要素も参考に決めると効果的です。
KGIを決める要素 | 概要 |
---|---|
サイトの目的 | ・コンバージョン率を高めて売上を伸ばしたいのか ・ページビュー数を上げて認知度を高めたいのか |
サイトの現状パフォーマンス | ・検索エンジンでの順位はどのくらいか ・どの程度のトラフィックを獲得しているのか |
競合他社の状況 | ・競合他社のパフォーマンスはどの程度優れているか |
コスト | ・SEO施策にどれくらいの費用と時間をかけられるのか |
また目標となる数字は、具体的かつ現実的に達成可能でなければなりません。また測定できる数字で設定しないと、シミュレーションが困難になるため注意しましょう。
施策を決定する
SEOのシミュレーションでは、下記を参考にターゲットキーワードに対する仮説を立てて、検証を繰り返すのが重要です。
- キーワードの順位と流入数から、CTR(Click Through Rate)の予測値を推測する
- 検索ボリュームが少ないとCTRは高まり、多いとCTRは低くなりやすい
- 文字数が少ないキーワードはCTRが低くなり、多いとCTRが高くなりやすい
CTRを算出するのは困難ですが、キーワードを分析することで、予測が立てやすくなります。
「推定CTRを達成するためには、〇〇位で〇〇ほどの流入数が必要」といった仮説が立てられると、検証しやすくなります。
施策の実行計画を立てる
キーワードでの施策が決定したら、目標達成までの実行計画を立てます。下記を参考にスケジューリングするのがポイントです。
- いつまでに達成させるのか
- 時間・費用・人員はどれくらいかけられるのか
- 費用対効果はどれくらいになるか
スケジューリングを決定することで、「SEOシミュレーションに〇〇円の費用と時間をかければ、〇〇円の売上が伸びる」といった計算ができます。
施策の効果を追跡する
SEO施策の効果は、必ず追跡しましょう。シミュレーション通りに効果が出ていないのであれば、修正する必要があるためです。
また、シミュレーションの見立てが甘いと、時間と費用の採算が合いません。SEOのシミュレーションは、知識やスキルがあっても一筋縄ではいかないものです。
SEOの費用対効果を検証し、場合によってはコンサルタントや企業への相談も検討してみましょう。
関連記事:【失敗しない】SEO対策を外注へ依頼する前にぜひ知ってほしい内容を徹底解説
SEOのシミュレーションで失敗しないためのポイント
SEOのシミュレーションで失敗しないためのポイントは、以下の3つです。
- SEOを目的にしない
- 結果が現れるまで辛抱強く待つ
- 100%の正解はない
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
SEOを目的にしない
SEOはあくまでも手段であり、目的ではありません。サイトの目的は売上や認知度の向上であり、その手段としてSEOがあります。
「〇〇のキーワードで1位を取る」よりも「SEOでサイト経由の売上を〇〇%上げる」といった、売上や認知度の向上を目的に、シミュレーションを立てましょう。
関連記事:失敗例から紐解くSEOによる売上UPの実践ガイド【事例付き】
結果が現れるまで辛抱強く待つ
SEOのシミュレーションを開始して成果が出るまでは、早くても数か月以上はかかります。
結果が出ていない状態で新しい対策を講じても良し悪しが判別できません。手を加えずに放置しておけば、上位表示できた可能性もあるでしょう。
SEO施策を開始したら、一定期間は様子を見るようにしましょう。
関連記事:SEO対策の効果が出る期間は?検索順位を早く上げるための対処法を解説
100%の正解はない
「〇〇をやれば必ず順位が上がる」といった100%の正解は、Googleでさえわからないとされています。
「可能性がある施策はすべて試してみる」という考え方が、SEOのシミュレーションでは基本です。可能性がある施策はすべて実行し、PDCAサイクルを回し続けましょう。
SEOのシミュレーションに使える無料ツール
SEOのシミュレーションに便利な無料ツールを、3つ紹介します。
種類 | 使い方 |
---|---|
Googleキーワードプランナー | ターゲットキーワードの選定や平均入札単価を調べる |
ラッコキーワード | 競合サイトの構成を調べる共起語を調べる |
aramakijake.jp | キーワードのボリュームを調べる |
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
Googleキーワードプランナー
SEOのシミュレーションで必須ともいえるツールが、Googleキーワードプランナーです。Googleキーワードプランナーでは、キーワードの検索ボリュームや入札単価を把握できます。
「どのキーワードを狙えば勝算があるか」などがわかるため、積極的に活用しましょう。
関連記事:Googleキーワードプランナーの使い方!初心者向けに基本を解説
ラッコキーワード
SEOにおいて、上位サイトの分析は必須です。そこで役立つツールがラッコキーワードです。見出し抽出機能を使えば、特定キーワードの上位10サイトの構成が丸裸になります。
また共起語やサジェストの調査、Googleトレンドといった便利な機能も備わっています。以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:ラッコキーワードはSEOに欠かせないツール!使い方や仕組みを解説
aramakijake.jp
aramakijake.jpは、キーワードの月間検索ボリュームの調査ができるツールで、会員登録なし、かつ使用制限なしで使えます。
特定キーワードの月間推定検索数を、GoogleとYahoo!それぞれで50位まで表示可能です。さらに、特定キーワードの関連語と推定検索数も表示できます。
キーワードのボリュームだけでも把握したい時に便利なツールです。
まとめ:SEOのシミュレーションは根気よく取り組もう
SEOのシミュレーションは、可能性がある施策はすべて実行し、根気よく取り組む必要があります。SEOには100%の正解がなく、不確定な要素も多くあります。シミュレーション通りにいかないケースも珍しくありません。
何度やってもシミュレーション通りにいかない場合は、SEOコンサルタントや企業に相談するのも1つの方法です。
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