Google アナリティクス 4(GA4)のレポートに表示されている、Paid Searchとは何か気になっていませんか。
Paid SearchはWebサイトにユーザーを集める重要なチャネルであり、正しく理解しなければ適切な施策運用はできません。
本コラムでは、Paid Searchの概要はもちろん、Paid OtherやOrganic Searchなど他の項目との違いも解説しています。Paid Searchを正しく理解してWebサイトへの集客施策を適切化したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
GA4のPaid Searchとは?
GA4(Google アナリティクス 4)で表示されるPaid Searchとは、Googleなどの有料検索広告(広告)からのWebサイトへの流入を示す指標です。
Google アナリティクスのヘルプページでは、以下のように説明されています。
Paid Search is the channel by which users arrive at your site/app via ads on search-engine sites like Bing, Baidu, or Google.
日本語に翻訳すると以下のとおりです。
有料検索は、Bing、Baidu、Google などの検索エンジン サイトの広告を介してユーザーがサイト/アプリにアクセスするチャネルです。
なお、Paid Searchと並んで以下の指標も表示されることがあります。
- Paid Other
- Organic Search
- Display
- Direct
- Referral
いずれもユーザーがWebサイトに流入した元となるチャネルです。
Paid Searchだけでなく、各指標(チャネル)の意味を理解することがGA4のレポートを理解するためのポイントなので、それぞれ確認していきましょう。
Paid Otherとの違い
Paid Otherとは、有料広告ではあるものの、検索広告(リスティング広告)、ソーシャル広告、ショッピング広告、ビデオ広告のいずれにも識別されなかった流入を示す指標です。
GA4では、Google 広告などGoogleのプラットフォームからの流入をカウントしてくれます。しかし、リスティング広告であっても他のプラットフォームからの流入は、デフォルトではPaid Searchとしてカウントしてくれません。
Paid Otherが表示される場合は、UTMパラメータの設定を見直して、正しく表示されるようにするのがおすすめです。
Organic Searchとの違い
Organic Searchとは、検索結果においてリスティング広告以外のリンクからの流入を示す指標です。Paid Search(有料検索)に対し、Organic Searchは自然検索と表現されています。
どちらも検索からの流入ですが、広告からかそうでないかが大きな違いです。
また、Paid Searchは最短で即日、検索結果に表示できます。しかし、Organic Searchは通常Googleなどの検索エンジンにインデックスされるまでに時間がかかり、検索結果に表示されるとも限りません。
さらに、Paid Searchもランキング要素はありますが、通常はOrganic Searchで検索結果の1ページ目に表示されるほうが難しいといった違いがあります。
Paid Search(有料検索) | Organic Search(自然検索) | |
概要 | リスティング広告からの流入 | 自然検索からの流入 |
費用 | 有料 | 無料 |
即効性 | 高め | 低め |
CTR(クリック率) | 低め | 高め |
Displayとの違い
Displayとは、ディスプレイ広告からの流入を示す指標です。ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの広告掲載枠に、テキストやバナー、動画などのクリエイティブで表示する広告をいいます。
Displayはディスプレイ広告、Paid Searchはリスティング広告からの流入であるのが違いです。ディスプレイ広告ならWebサイトやアプリを利用中のユーザーに表示できます。
Directとの違い
Directとは、ブックマークやURLの直接入力からの流入を示す指標です。
ユーザーが検索を利用していない点でPaid Searchとは異なります。
Referralとの違い
Referralとは、検索結果ではない他のサイトに設置された、広告以外のリンクからの流入を示す指標です。
検索結果ではなく他のWebサイトに設置されていること、基本的には無料であることがPaid Searchと異なります。
GA4でPaid Searchを確認する方法は?
GA4では、以下の手順でPaid Searchを確認できます。
- GoogleアナリティクスのGA4プロパティに移動
- 画面左側の「レポート」をクリック
- 画面左側のライフサイクルコレクションにある「集客」トピックをクリック
- 「ユーザー獲得」レポートまたは「トラフィック獲得」レポートをクリック
なお、Googleアナリティクスの画面メニューに表示するコレクションやトピックがカスタマイズされている場合は、紹介した方法と場所や表示名称が異なる可能性があるので注意してください。
有料検索からの流入を正しくPaid Searchとしてカウントする方法
有料検索からの流入であっても、事前に設定をしていなければ、正しくPaid Searchとしてカウントできません。
アナリティクスでは、リンク先 URL に手動でタグを設定するか、アナリティクスと広告プラットフォームの統合を作成し、そうした統合で利用できる自動タグ設定機能を使って、トラフィック ソースのデータを収集することも可能です。
つまり、手動でタグ(パラメーター)を設定するか、自動タグ設定を有効にする必要があります。各設定方法について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
自動タグ設定を有効にする
自動タグ設定とは、URLにGoogleクリックID(gclid)というパラメーターを自動的に付けてくれるGoogle広告の機能です。
自動タグ設定はデフォルトでは有効になっていますが、Google広告アカウントで以下のように確認しておきましょう。
- 「管理者」にマウスをホバーし、表示された「アカウント設定」をクリックする
- 「自動タグ設定」が「はい」になっているか確認する
もし自動タグ設定が「いいえ」(無効)になっている場合は、「ユーザーが広告クリック時にアクセスするURLにタグを設定する」の選択肢にチェックを入れて「保存」をクリックしてください。
手動でパラメーターを設定する
以下の手順に従い、手動でパラメーターを設定することもできます。
- Googleが提供しているURL生成ツール「Campaign URL Builder」にアクセスする
- 「website URL」にWebサイトのURLを入力する
- 「campaign source」にキャンペーンソース(例:google)を入力する
- 「campaign medium」にキャンペーン媒体(例:cpc)を入力する
- URLが生成されるのでコピーして広告のURLに使う
手動でも簡単に設定できるので、パラメーターを細かく設定したい場合におすすめの方法です。
Paid Searchのメリット
GA4の指標としてではなく、Webサイトへの流入チャネルとしてのPaid Searchのメリットは以下の2つです。
- 短期間で成果を出しやすい
- 予算を調整しやすい
他のチャネルと比較しながら、集客施策を適切化するための参考にしてください。
短期間で成果を出しやすい
Paid Searchは短期間で成果を出しやすいのがメリットです。
Organic SearchはGoogleなどの検索エンジンにインデックスされるまでに時間がかかるほか、検索結果の上位に表示されるためには通常多くの記事を作成しなければなりません。
Paid Searchは設定して運用を開始するだけで最短即日に表示されるので、即効性があります。
予算を調整しやすい
Paid Searchは予算を調整しやすいのもメリットです。
Paid Searchは広告管理画面から予算の上限を設定しつつ、表示回数やクリック数などを測定できます。目標にしていた数字に届きそうになければ、早めに施策を中止するといったアクションをすぐに実行可能です。
Paid Searchのデメリット
Paid Searchには次のようなデメリットもあります。
- コストが発生する
- Organic Searchと比べてCTRは低め
デメリットを把握したうえで、有効な集客施策を検討しましょう。
コストが発生する
Paid Searchは有料検索広告とも呼ばれており、一般的には広告がクリックされた回数に応じて課金されてしまうクリック課金制(CPC)です。
Organic Searchにも間接的なコストはかかりますが、Paid Searchによる集客は直接的にコストが発生している点はよく認識しておきましょう。
Organic Searchと比べてCTRは低め
Paid SearchとOrganic Searchはどちらも検索結果からの流入ですが、Paid Searchは「スポンサー」と表示されていることからユーザーのクリック率(CTR)は低めです。
まとめ:Paid Searchを理解して流入増加につなげよう
GA4(Google アナリティクス 4)で表示されるPaid Searchとは、Googleなどの有料検索広告(広告)からのWebサイトへの流入を示す指標です。
Paid Searchを正しくカウントするには、自動タグ設定を有効にするか、手動でURLにパラメーターを付与しなければなりません。
Paid Searchは、コストがかかりCTRは低めではあるものの、即効性があるといった大きなメリットがあります。Paid Searchなど流入チャネルの特徴をよく把握したうえで、ぜひ適切なWebサイトへの流入増加施策を実践してください。
株式会社eclore Web Director / Marketing Director
デザイン専門学校を卒業後、2012年に入社。Web領域を中心に、コーポレートや採用サイト、メディアサイトなどのデザイン、コーディング業務に従事。また、リスティングを中心とした広告運用も担当。SEO・広告の観点で優位性のあるWeb制作を得意としています。Web制作数 年間100以上 / 広告運用額 年間2億円以上。