Webサイトを運営していると、コメントやユーザー生成コンテンツによって、意図しない形で発リンクが貼られることがあります。そのような場合、自社サイトのSEO評価を守るために、リンク先との関係性を検索エンジンに適切に伝える必要があります。
そこで推奨されるのが「nofollow」です。設定することで、リンク先を検索エンジンにクローリングさせないようにします。
本記事では、nofollowの仕組みや役割について解説します。設定方法およびSEOとの関係性も取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
目次
nofollowとは?
nofollowは、検索エンジンのクローラーにリンク先を辿らせないようにする属性値です。リンク先との関連性を否定したい、SEO評価を譲渡したくない場合に使用されます。
通常リンクの場合、クローラーがサイト内に貼られたリンクを辿り、関連性や信頼性を加味して評価の受け渡しがおこなわれます。
一方でnofollowを適用した場合、リンク先のクローリングが無効になるため、評価の受け渡しはおこなわれません。
nofollowの役割
Webサイトによっては、口コミやユーザーが制作した投稿などから、関連性の低いサイトへ外部リンクを貼られることがあります。これらのケースは管理が難しく、中には低品質なWebサイトへリンクが貼られる恐れもあります。
意図しない発リンクにnofollowを設定すれば、SEO評価の受け渡しを無効化したり、自社サイトとの関連性を否定できます。
また、検索エンジンでは、サイト内に設置されたリンクを辿って評価の受け渡しが実施されます。発リンク側が価値の高いWebサイトであれば、被リンク側にその評価が受け渡され、SEO評価が上がります。
しかし、この仕組みを利用して、上位サイトの人気が悪用されるケースもあります。悪用行為が蔓延して、検索結果がユーザーにとって不利益にならないためにも、nofollowが設けられています。
なお、以前は「命令」でしたが、2019年9月の更新により「ヒント」という定義に変更されました。
nofollow・sponsored・ugcの使用方法
nofollowの定義が命令からヒントに変更されたタイミングで、「sponsored」と「ugc」という新たなrel属性が追加されました。
属性 | 特徴 |
---|---|
sponsored | 広告や有料リンクに設定 |
ugc | ユーザー生成コンテンツ(UGC)のリンクに設定 |
nofollow | 上記のどちらにも該当しない場合に設定 |
sponsoredは、広告や有料リンクに対して使用する属性値です。プレリリースや広告に関しては、自社サイトのSEO評価を受け渡さないよう、適用が推奨されています。
ugcは、コメントや商品レビューなどユーザーによって作成されたコンテンツのリンクに設定します。これによって、被リンクのSEO効果を悪用したスパムコメントの抑止が可能です。
nofollowは、「sponsored」と「ugc」のどちらにも該当しない場合に使用します。
nofollowとnoindexとの違い
特徴 | 対象 | |
---|---|---|
nofollow | リンク先をクローリングさせない | リンク先の広告やUGC、低品質コンテンツ |
noindex | インデックスを制御する | 自社サイトの低品質なコンテンツ |
nofollowと似た属性に「noindex」があります。
noindexは、検索エンジンにコンテンツをインデックスさせないようにするメタタグです。主に、自社サイト内の低品質なコンテンツに対して使用されます。
検索エンジンのクローラーは世界中のWebサイトを巡回し、集めた情報をデータベースにインデックスします。そして、インデックスした情報を基に検索結果に反映します。
noindexを設定すれば、クローラーによるインデックスを抑制できるため、検索結果にコンテンツが表示されなくなります。
nofollowを使用する場面
nofollowは、リンク先と自社サイトの関連性を否定したい、クローリングをさせたくない場合に使用します。具体的には、以下の場面での使用が推奨されています。
- 有料リンク
- コメント
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)
- 埋め込み
- 低品質コンテンツへの発リンク
それぞれ見ていきましょう。
有料リンク
有料リンクとは、特定のWebサイトが上位表示されるように、他サイトに報酬を支払って設置してもらうリンクです。
Googleでは、SEO効果を受け渡すためのリンクの売買は禁止されています。発覚した場合、意図的ではなかったとしても、ペナルティの対象となる恐れがあります。
そのため、有料リンクを貼る場合はnofollowを設定し、SEO評価を受け渡さないようにする必要があります。
コメント
自社サイトにコメント欄を設けている場合、被リンクのSEO効果を悪用する目的でリンクを書き込まれる可能性があります。そうなると、意図せず自社サイトのSEO評価を受け渡してしまうことも。
基本的に、Webサイトのコメント欄にはnofollowが自動で適用されています。しかし、スパムコメントが多い場合は正しく設定できていない可能性があるので、確認するとよいでしょう。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)
ユーザー生成コンテンツ(UGC)とは消費者によって発信されるコンテンツのことで、ブログやSNSなどへの投稿が該当します。
UGCに低品質なWebサイトへのリンクを貼られると、そのサイトの評価を上げる手助けをしていると判断されかねません。どのようなリンクが貼られるかは予測できないので、すべてのUGCリンクにnofollowを設定すると安心です。
なお2019年9月以降は、UGCのために設置された「ugc属性」の適用が推奨されています。
埋め込み
ブログパーツなどの埋め込みには被リンクが集まりやすく、簡単に評価を向上できるので、Googleで問題視されています。現時点では、埋め込みにnofollowを適用するルールは定められていません。
しかし、Googleの機能を正常に保つためにも、リンク先にSEO評価を受け渡さないような工夫をしましょう。
低品質コンテンツへの発リンク
コンテンツの都合上、やむを得ず低品質なページに発リンクをしなければならないケースもあるでしょう。
そのような場合も、nofollowの適用が推奨されています。設定することで低品質なページとの関連性を否定し、自社サイトの評価を保護できます。
nofollowの設定方法
nofollowの設定方法は、以下の2種類です。
- 個別リンクに設定する
- ページ全体のリンクに設定する
自社サイトの特性に合わせて、適切に設定しましょう。
それぞれ解説します。
個別リンクに設定する(aタグ)
個別のリンクに設定する場合は、aタグ内に「rel=”nofollow”」を記述します。
<a href=”リンク先のURL” rel=”nofollow”>○○</a> |
広告や有料リンクに適用する際はnofollowの部分を「sponsored」に、ユーザー生成コンテンツは「ugc」に変更しましょう。
なお、sponsoredやugcとの併用も可能です。その場合は、以下のように記述します。
<a href=”リンク先のURL” rel=”sponsored nofollow”>○○</a> <a href=”リンク先のURL” rel=”ugc nofollow”>○○</a> |
ページ全体のリンクに設定する(metaタグ)
ページ全体のリンクに設定する場合は、HTMLソースのmetaタグに直接記述します。
例えば、コメント欄に貼られたリンクをすべて適用する場合は、該当ページのmetaタグに以下のように記述します。
<meta name=”robots” content=”nofollow”> |
nofollowとSEOの関係性
以前は、すべての発リンクに対してnofollowを設定した方がSEOによい影響を与えるとされていました。しかし、現在はかえって逆効果になる可能性も。
Googleは、すべての発リンクにnofollowを適用する行為は間違いであると見解を示しています。
不自然にリンクを貼っていると判断されてSEO評価が下がる恐れがあるため、通常のリンクを設置した方がよいと言及しています。
Googleは、ユーザーにとって有益なコンテンツが上位表示されることを望んでおり、被リンクはその指標の一つで、多く集まるサイトほどユーザーにとって有益だと判断されます。
そのため、nofollowを闇雲に設定し、競合サイトが被リンクを集めることを妨害するような行為は好まれません。SEO効果を向上する手段としてnofollowを設定しているなら、控えた方がよいでしょう。
まとめ:nofollowを適切に設定してサイト改善に繋げよう
意図しない発リンクに対してnofollowを適用することで、Googleに正しくサイトを認識してもらえます。
しかし、すべての発リンクに対してnofollowを設置するなど使い方を誤ると、かえってSEO評価を下げる原因になります。
本記事を参考にして正しいnofollowの使用方法を理解し、サイトの改善につなげましょう。
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