インターネットを介するビジネスにおいて、Webサイトへの集客施策は避けては通れません。
大規模サイトとよばれるECサイトや旅行サイトのようなデータベース系サイトは、ページの枚数が膨大であり、一般的に語られているSEO施策では、うまくいかないことも多いでしょう。
本記事では、現役SEOコンサルタントが、大規模サイトのSEOにおいてよくあるNG集とその対策方法を徹底解説します。
大規模サイトの順位に伸び悩んでいるサイト運営者様は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
大規模サイトSEOとは
Google検索セントラルは、「重複のないページが100万以上で、コンテンツが1週間に1回更新されるサイト」を大規模サイトとして明示しています。
要は、ページ数やコンテンツ量が多いサイトということですね。
そこまでの量を担保していないサイトと比べると、SEO対策に工夫を凝らす必要があります。
Googleのクローラーは、日々さまざまなサイトをクロールのうえインデックス登録しています。
しかし、1つのサイト内をクロールできる時間が限られていることから、公開しているページすべてがインデックス登録されるわけではありません。
さらにGoogleは、ユーザー目線での利便性を追い求めて、日々改良されています。
Webサイトの評価軸も変動するため、サイト運営者は大きな影響を受けることもしばしばです。
なお、Googleが公開している、クロールの一般理論は以下の通りです。
クロールの一般理論
ウェブはほぼ無限に近い空間であるため、利用可能な URL をすべて調査してインデックスに登録するとなれば、Google の能力を超えることになります。そのため、Googlebot が 1 つのサイトをクロールできる時間には限界があります。Google がサイトのクロールに費やす時間とリソースは、通常、サイトのクロール バジェットと呼ばれます。サイト上でクロールされたすべてのページが必ずしもインデックスに登録されるわけではありません。各ページを評価、統合、査定して、クロール後にインデックスに登録するかどうかを判断する必要があります。
クロール バジェットは、クロール能力の上限とクロールの必要性の 2 つの要素によって決まります。
引用:Googleセントラル「大規模なサイト所有者向けのクロールバジェット管理ガイド」
大規模サイトに内包されるコンテンツのクロールを目指すには、サイト内のこまめにメンテナンスして、クロールの接続数を増やしましょう。
関連記事:クローラーとは?検索エンジンの仕組みやクローラビリティ対策を解説
大規模サイトの具体例
大規模サイトに分類されるものには、明確に定義されている3つの基準があります。
大規模サイトの定義
- ページ数が多い
- アクセス数が多い
- ブランド検索にてSEOを考慮せずとも優位にある
大規模サイトにはさまざまなジャンルがありますが、一般的にはポータルサイトを指します。
ECサイト(Amazon・楽天)や不動産サイト(suumo・homes)、旅行系サイト(楽天トラベル・トラベルコ)、求人系サイト(マイナビ転職・doda)などがその例です。
また、大規模サイトに定義されるアクセス数は、100PVが目安といえそうです。
世界中のサイトのうち、アクセス数の多さをランキングにまとめたものを以下に紹介します。
引用:Ranking the Top 100 Websites in the World
Global Rank Domain Monthly visits (billions) Parent Country 1 Google.com 60.49 Alphabet Inc United States 2 Youtube.com 24.31 Alphabet Inc United States 3 Facebook.com 19.98 Facebook, Inc United States 4 Baidu.com 9.77 Baidu, Inc China 5 Wikipedia.org 4.69 Wikimedia Foundation United States 6 Twitter.com 3.92 Twitter, Inc United States 7 Yahoo.com 3.74 Verizon Comm. Inc United States 8 pornhub.com 3.36 Mindgeek Canada 9 Instagram.com 3.21 Facebook, Inc United States 10 xvideos.com 3.19 WGCZ Holding Czech Republic
もっとも利用者数の多い検索エンジン「Google」は、604.9億と頭3つ分飛びぬけたPV数を誇ります。
ここまで圧倒的な数値を見ると、Googleで検索されることを想定したうえで、SEO対策を進める必要がありますよね。
また、アクセス数の多いサイトには、TwitterやYouTube、Instagramなどもランクインしているので、クリエイティブ性のあるコンテンツも増やしていく必要があるかもしれません。
大規模サイトと中・小規模サイトの相違点
大規模サイトに分類されないものを、中・小規模サイトとよびます。
それぞれにどのような違いがあるのか、以下の表で確認していきましょう。
大規模サイトと中・小規模サイトの違い
大規模サイト | 中・小規模サイト | |
強み | 豊富な情報量、ドメインの強さ | サンプル申し込み |
弱み | コスト | 情報量 |
コンテンツの数 | 多い | 少ない |
アクセス数 | 多い | 少ない |
拡張の難易度 | 低い | 高い |
更新頻度 | 高い | 少ない |
制作にかかる費用 | 高額 | 安価 |
運営者 | 多い | 少ない |
ターゲット | 幅広い | 狭い |
大規模サイトは、コンテンツの量の多さから、やはりドメインが強いです。
上位表示を狙いやすいサイト、かつその膨大な情報量から、アクセス数も多くなります。
一方で、コンテンツ量の多さを管理しきれず、情報が古いままになっていたり、すべてのコンテンツの質を保つのが難しかったりする弊害もあります。
コストの面において、中・小規模サイトと比べると高額になるのも、デメリットの1つです。
中・小規模サイトは、コンテンツの量は劣りますが、ターゲットを絞り込んで情報発信できるので、ターゲットからのコンバージョンを高められます。
ただし、情報量が少ないので、アクセス数が伸び悩むリスクがあるのも事実です。
SEOで上位化を目指すうえで大規模サイトが陥りがちなNG集と対策方法
「一生懸命、大規模サイトを作ったからにはもう安心」なんてことはありません。
放置すると、少しずつ順位が下がっていきます。
ここからは、大規模サイトで順位が下がってしまうNGの例を紹介します。
自社の大規模サイトに当てはまる部分がないかを確認してみてください。
①薄いコンテンツでの上位表示への依存(低品質コンテンツの増加)
大規模サイトは、そのドメインパワーの強さに甘えて、薄い内容のコンテンツばかりアップロードしていると、順位が下がります。
はじめは上位表示されるかもしれませんが、少しずつアクセス数が減っていきます。
数年前には、「質にかかわらずサイト内の記事は多いほどよい」という知識が広まったことで、ライターを安価で雇って、質の低いコンテンツを量産しているようなサイトがごまんとあったのです。
ここで指す低品質とは、専門性がない記事や信ぴょう性のない記事などですが、Googleはそのようなコンテンツを評価しません。
ドメインパワーが強いからといって、コンテンツを質より量と判断するのではなく、ユーザー目線の高品質なコンテンツを作成、更新していくことが重要です。
②サイト構造の複雑さ、ユーザー回遊の悪さ
SEOで上位化を目指すなら、読み手のユーザーに対して読みやすく、わかりやすい内容でなければなりません。
ジャンルによって整理する内容は異なりますが、カテゴリ―分けをして、サイト内を見て回りやすい状況を作ることが大切です。
また、大規模サイトは、サイト内のページ数が多いので、回遊しやすいように整理する必要があります。
特に大規模サイトの運用には、ある程度の人数が必要なので、業務ごとに部署を分散しているケースもあるでしょう。
しかし、部署間のコミュニケーションがとれておらず、連携できていなければ、全体的な管理が困難になります。
タイトルやコンテンツの重複などはよくある例ですが、これらはGoogleの評価を下げる原因の1つです。
大規模サイトにおいては、ユーザーが使いやすいシンプルな構造を目指しましょう。
③サイト速度の遅さ
大規模サイト内のコンテンツの量は膨大であり複雑化しているので、そのページの読み込み速度が遅くなりがちです。
場合によっては、サーバーダウンするケースも考えられます。
サイト速度の遅い状態が続くと、ユーザー目線で良いサイトとはいえませんよね。
Googleにも同様に低評価と判断され、順位を上げるどころかズルズル下がってしまいます。
大規模サイトであっても、サイト速度はパソコンであれば70以上、スマートフォンであれば50以上をキープしておきたいところです。
サイト速度を改善するには、ファイルサイズの圧縮で不要なリソースを減らしたうえで、サーバーのスペックを上げるといった方法が得策です。
④低品質コンテンツの増加
ユーザーが欲している有益な情報が網羅されていない、低品質なコンテンツが増加するのも避けましょう。
SEO対策において重要視されるE-E-A-T(専門性、権威性、信頼性、経験)が欠けていたり、タイトルと本文の整合性がとれていなかったりするコンテンツは、有益な情報にはほど遠いです。
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
引用:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
なお、自社内のコンテンツの品質を見極めるには、Googleアナリティクスを活用します。
Googleアナリティクスにて、直近1か月でPV数や訪問数が一桁台、かつ平均滞在時間が20秒以下のページは、低品質であるとよくいわれます。
しかし、これは絶対ではありません。
そのページがそもそも閲覧されていなかったり、閲覧しているユーザーがすぐに離脱していたりするケースがあるからです。
コンテンツを作るときは、ユーザー目線に立って考え、専門性や信ぴょう性のある内容を意識しましょう。
関連記事:E-E-A-Tとは?Googleで重視される理由とSEOにおける対策方法を解説
⑤リンク切れの未対応
大規模サイトは、リンク切れの対応にも気を配らなければなりません。
ドメイン歴の長さから、過去にアップロードしていたコンテンツ内の外部リンクや内部リンクのリンク切れや、重複URLといった問題が出てきます。
リンク切れを対応しないまま放置していると、サイトを見たユーザーが「ちゃんとメンテナンスしていないけど、ここに載っている情報は本当に正しいのか?」と怪しまれるリスクがあります。
本来は有益な情報であったとしても、結果として信ぴょう性のないコンテンツへと真逆の評価を受けてしまうのはもったいないですよね。
リンク切れはそのまま放置せず、こまめにメンテンナンスしましょう。
コンテンツの量が多い大規模サイトならなおさらです。
⑥内部リンク最適化の怠慢
サイト内の情報に関連する有益なページがあれば、内部リンクを貼りますよね。
その手段はとても有効ですが、一方で、それを怠るとGoogleからの評価が下がってしまう点には注意したいところです。
内部リンクは、サイト内を回遊しやすいようにリンクを設置するので、ユーザーにとって利便性が高まる要因になります。
利便性が高くなると、ユーザーの滞在時間が増えるので、Googleから高評価を受けることができます。
通常は外部のウェブサイトの参照に関してリンクを検討しますが、内部リンクに使用するアンカー テキストにより注意を払うと、ユーザーや Google がサイトの内容を簡単に把握できるようになるとともに、サイト上の別のページを見つけやすくなります。関心のあるすべてのページに、同じサイト上の少なくとも 1 つ以上の別のページからのリンクがあることが推奨されます。そのページの内容を読者に理解してもらうために役立つ、同じサイト上の別のリソースは何かについてコンテキストを踏まえつつ検討して、それらのページへのリンクを追加します。
引用:Google検索セントラル「内部リンク: 自身のコンテンツの相互参照」
コンテンツの量が多い大規模サイトでは、サイト内だけでも関連する情報はそのぶん多いはずです。
過去に作成したコンテンツに、一つひとつ内部リンクを設置するのは手間かもしれませんが、上位化には欠かせない作業なので、コツコツ取り組んでみてください。
⑦過剰な広告配置
アフィリエイト広告やアドセンス広告を大量に配置した、あからさまな「広告重視」のページはGoogleが嫌うパターンです。
特にファーストビューに大量の広告を配置すると、ペナルティを受けるリスクが高まるので注意してください。
広告は、本来必要としているユーザーにクリックしてもらうために設置するので、コンテンツ内に大きくバナーを設置するなど、目立たせる必要はありません。
ユーザーがコンテンツを閲覧するときに、邪魔にならない程度の行き過ぎない広告配置を心がけましょう。
⑧悪質サイトからの被リンク受容
悪質な被リンクは「スパムリンク」ともよばれる、自作自演で設置したものや、公序良俗に反するサイトからのリンクなどを指します。
これらのリンクを配置しているWebサイトは、Googleがペナルティを課しているので、SEOで上位化を目指すなら、絶対にやってはなりません。
悪質な被リンクの代表的な例
- 自社で購入したリンク
- 低評価なページからのリンク
- 隠しリンクからのリンク
- SEO目的であることが全面的に見える不自然な相互リンク
- SEOの対策キーワードを過剰に詰め込んだアンカーテキストからのリンク
以前、Googleが行った「ペンギンアップデート」「パンダアップデート」はご存じでしょうか。
ペンギンアップデートでは、悪質な被リンクを配置したWebサイトにペナルティが課され、パンダアップデートでは、良質なコンテンツを含むWebサイトが上位化されるようになりました。
なかでも、ペンギンアップデートの影響は特に大きく、発表された当初はかなりの数のWebサイトにペナルティが課されました。
ペナルティが課されると、インデックスから削除されたり、検索順位が下落したりするので、SEOでの上位化は致命的です。
参照元:Google検索セントラル「Penguin が Google のコア アルゴリズムの一部になりました」
⑨コンテンツ内の外部への発リンクの少なさ
意外と見落とされがちですが、自社のコンテンツから外部のページに向けた発リンクも重要な要素です。
たとえば、「Googleが掲げる10の事実」という見出しをコンテンツ内に入れるとしましょう。
単に、Googleが提示している事実をテキストだけで記載するのと、Googleから引用して、さらにアンカーテキストでリンクを設置するのとでは、信用性も異なりますよね。
コンテンツ内に記載する情報元が、どこに記載されているのかを示すのに有効なのが発リンクです。
なお、発リンクの設置が適切でなければ、かえってGoogleの評価が得られにくくなります。
何でもかんでも発リンクを設置するのではなく、あくまで関連性の高いコンテンツのリンクを設置する必要があります。
関連記事:Googleの理念とは?SEO対策への活かし方を「10の事実」にもとづいて解説
⑩モバイル非対応
昨今、検索エンジンやWebサイトなどを含めた、インターネットを利用している7~8割のユーザーは、スマートフォンからアクセスしているといわれています。
2018年3月には、Googleが、バイルサイトの評価に応じてインデックスする「モバイルファーストインデックス」を発表しました。
モバイル版のページを用意することは、コンテンツを Google の検索結果に表示させるための要件ではありませんが、非常に強く推奨されています。
引用:Google検索セントラル「モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法」
大規模サイトを運営されている場合、モバイル用のサイトに対応していないケースはそれほど多くはないでしょう。
しかし、PCサイトと同じコンテンツになっているかは確認したいところです。
PCサイトとモバイルサイトで、あまりにも内容が異なるとGoogle側からペナルティを受けるリスクがありますし、別の内容を見せるメリットは特にありません。
いずれも、ユーザー目線に立って、利便性の高い設計を心がけましょう。
業種別(サイト種類別)ありがちなSEO施策NG例
ここまで、大規模サイト全体によくあるNG例を紹介してきました。
続いては、業種やサイトの種類ごとにやってしまいがちなSEO施策を紹介します。
自社に当てはまる部分がないか、ぜひ確認してみてください。
NG例①旅行系
旅行系の大規模サイトを運営している場合、オウンドメディアやコラムといった、SEO対策はおすすめしません。
これは実際の検索結果画面を見ると一目瞭然ですが、コンテンツSEOよりも優良な施策を考える必要があります。
たとえば、「新宿 ホテル」で検索したとき、1ページ目に表示されるのは、新宿周辺のホテルを比較できるサイトばかりです。
コラムは検索結果の11位に、ようやく見つけました。
このような検索結果において、「新宿駅周辺にあるホテルの選び方」「新宿駅周辺のホテルの価格を徹底比較」といった読み物は、ユーザーの検索意図に合っていないことがわかります。
何でもかんでも、コラム系の施策と決めつけるのではなく、検索意図に合わせて適切なアプローチ施策を考えなければなりません。
NG例②求人サイト系
求人サイト系も、旅行系と同様に、コンテンツSEOには向いていません。
同様に、検索結果を確認していきましょう。
「営業 正社員 転職」と調べたとき、検索結果の上位は以下のようになっていました。
同じく、営業職の正社員の求人情報がずらりと並んでおり、コラムは1つもありません。
ここで、このキーワードで調べるユーザーの検索意図を想像してみましょう。
「そろそろ別の会社の営業職を探したいなあ」「契約社員ではなく、正社員として雇用してくれる会社はあるかなあ」という状況ではないでしょうか。
このように考えているユーザーであったと仮定すると、「営業職の転職|正社員の給料や待遇を解説」のような、コラムは必要としていませんよね。
NG例③資産運用サイト系
最後に、資産運用サイトも、先述した2つと同様に、検索結果とその表示傾向を紹介します。
「資産運用」というキーワードで調べたとき、以下の検索結果になりました。
1位は日本証券業協会の「資産運用とは?」というページで、2位には金融庁による資産運用のシミュレーションのページが表示されています。
次いで4位に、コラムが登場しました。
検索結果の10位以内に表示されたサイトのうち、コラムは1つだけで、あとは資産運用のブランドのトップページがほとんどです。
旅行系や採用系と違って、1ページ目にコラムは表示されているもののその数はわずかに1つです。
上位化される可能性はありますが、かなりの期間を要することが予想できます。
さらに、唯一コラムで上位化している大和証券は、日本で2番目に大きくドメインパワーも強いです。
そのため、コラムでの上位化は図れなくはないものの、極めて難易度が高いといえます。
【関連記事】
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SEO対策を外注するメリットは?外注すべきタイミング、業者の選び方、費用を解説
現役SEOコンサルタントが実例とともに解説する大規模サイトSEO対策
ここまで解説したように、大規模サイトは間違ったSEO対策をするとGoogleからよい評価を受けることができません。
ここでは、現役SEOコンサルタントが「介護施設」をテーマとして「介護施設を検索する大規模サイト」で行うSEO対策を、実例とともにSEO対策を紹介します。
対策①キーワードの検索ニーズを読み取ったコンテンツの作成
キーワードの検索ニーズとは、特定のキーワードで検索するユーザーの目的や意図のことです。
たとえば「介護施設」に関連するキーワードで検索するユーザーは、どのような意図で何を目的にそのキーワードで検索するのでしょうか。
ここでは、コラムページで対策したほうがよいケースと、コラムページ以外で対策しほうがよいケースを紹介します。
コラムページ以外でSEO対策を行う場合
まずは「介護施設 新宿」で検索した際の検索画面をみてみましょう。
検索結果の上位を見ると、新宿にある介護施設の一覧ページが表示され、コラムページはありません。
検索結果からも「介護施設 新宿」で検索するユーザーは、「新宿にある介護施設への入居を検討している状況」と想定されるでしょう。
コラムページで「介護施設 新宿」のキーワードで対策を行っても、キーワードの検索ニーズを読み取れていないため、上位に表示されるのは難しいと考えられます。
この場合は、コラムページではなく、施設一覧や施設検索ページなどのサービスページで対策をするのが最適であると考えたため、上位に表示されているようなサービスページでSEO対策を行います。
コラムページでSEO対策を行う場合
続いては「介護施設 選び方」というキーワードで検索した際の、検索画面をみてみましょう。
検索結果に表示される上位3位が、コラムページとなっています。
検索結果からも「介護施設 選び方」と検索するユーザーは、「介護施設に入居する際の施設の選び方について知りたい状況」と想定されます。
「介護施設 選び方」というキーワードは、コラムページで対策することでユーザーの検索ニーズを満たしたコンテンツといえるでしょう。
この場合は、上位の記事を参考に記事構成を作成したうえで、ユーザーの検索意図に寄り添ったコラムページを作成して対策を行います。
また、E-E-A-Tを意識した独自性の高いコンテンツを追加することも大切です。
Googleから評価されるためには、有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成が欠かせません。
検索エンジンを第一に考えたコンテンツではなく、ユーザーファーストを意識した質の高いコンテンツを作成しましょう。
参照サイト:Google が掲げる 10 の事実
Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
関連記事:SEOで失敗する理由10選|よくある事例と上位表示のコツを解説
対策②ページ表示スピードの改善
ページの表示スピードが遅いと、サイトを訪れたユーザーがページを閲覧するまでに時間がかかり、離脱してしまうリスクがあります。
以下は、サイト表示スピードを「PageSpeed Insights」というサイトを用いて調査した結果です。
携帯電話は50点以上、デスクトップは70点以上が目安となっていますが、こちらのサイトの表示スピードは携帯電話とデスクトップともに”遅い”という結果になっています。
表示スピードを改善するには画像容量の変更やコードの書き換えなどがあり、ランクエストでは、画像を最適な形式に変更して、ページスピードを改善した例が多くあります。
こちらのサイトは、画像を最新の画像形式である「WebP」に変更することで、携帯電話とデスクトップともに、20%以上ページスピードを改善することができました。
以下が、改善後のページスピードです。
最新の画像形式である「WebP」は、Web上の画像を圧縮しページスピードを高速化させる効果が期待できるので、おすすめです。
WebP は、最新の画像形式で、ウェブ上の画像に対して優れたロスレスかつロッシーな圧縮を実現します。WebP を使用すると、ウェブマスターやウェブ デベロッパーは、小さくてリッチな画像を作成してウェブの高速化を実現できます。
WebP のロスレス画像については、PNG と比較して 26% 縮小されています。WebP のロッシー画像は、同等の SSIM 品質インデックスで、同等の JPEG 画像より 25 ~ 34% 小さくなります。
可逆圧縮 WebP では、透明度(アルファ チャンネルとも呼ばれます)が発生します。ただし、費用はわずか 22% の追加になります。ロッシー RGB 圧縮が許容される場合は、ロッシー WebP も透明度をサポートします。通常、PNG と比較してファイルサイズは 3 倍小さくなります。
アニメーション WebP 画像では、非可逆圧縮、可逆圧縮、透明性がすべてサポートされており、GIF や APNG よりもサイズを小さくできます。
引用:WebPウェブ用の画像形式
対策③複雑なサイト構造の改善
サイト構造はSEO対策に大きく影響し、多くのユーザーに閲覧されるサイトを作るための重要なポイントとなっています。
上記の青色の枠で囲ってある部分は「パンくずリスト」と呼ばれるものです。
パンくずリストとは、サイトに訪れたユーザーがサイト階層内のどこに位置しているのかを示したテキスト上のリンクのことです。
サイトを訪れたユーザーにとって、サイトの使いやすさを向上させるだけではなく、検索エンジンがページを巡回しやすくなり評価されやすいサイトを作る効果もあります。
上記ページのパンくずリストをみると、下記のようになっています。
「東京の有料老人ホーム・介護施設を探す」のあとに「東京23区の有料老人ホーム・介護施設を探す」を入れて深い階層となっていますが、この階層は必要なのでしょうか。
このサイトでは、「東京の有料老人ホーム・介護施設を探す」のページで23区内、23区外関係なく、東京都内の全エリアが記載されています。
サイト階層は、ユーザーが目的の情報にたどり付きやすくすることを目的としていますが、サイト階層が深いと複雑な構造となり、ユーザーやクローラーが混乱してしまいます。
以上の理由から、その階層はユーザーにとってわかりやすいものなのか、必要性を考え直す必要があります。
大規模サイトは、コンテンツ量が多いことにともなって、階層構造も深くなりがちです。
その階層はユーザーにとってわかりやすいものなのか必要性を考え、サイト構造を見直していきましょう。
大規模サイトはSEOでの上位化を図るために、サイト内の最適化に一層気を配りましょう
今回は、大規模サイトSEOについて、概要からやりがちなNG例まで詳しく解説しました。
大規模サイトに分類されるWebサイトは、コンテンツの量が膨大であることから、SEOでの上位化を目指す際に、注意しなければならないことが多くあります。
サイト内のコンテンツの質だけでなく、リンクにも気を配りましょう。
ドメインパワーの強さに頼って質の低いコンテンツをアップするのは、上位化を目指すにあたっては致命的な行為です。
自社内でのリソースが確保できず、サイト内の改善に手が回らない方は外注するのも一つの手です。
ランクエストは、15年ものあいだSEO対策に徹底的に取り組んできました。
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