BtoB事業はSEO対策との相性が良いと言われています。成功すれば、広告にかかる費用を抑えながら、大きな利益を獲得できます。
しかし、具体的な施策がわからず、導入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SEOに向いているBtoB事業や成功のポイントを解説していきます。
リスティング広告からの脱却や、集客の内製化を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
BtoB事業にSEO対策が必要な理由
WebサイトやSNSで情報発信が当たり前になった現代では、企業の担当者も日々、情報収集をしています。新規サービスの導入を検討する際も、他社の営業の言葉を鵜呑みにせず、能動的に市場調査を行うようになりました。
そのため、自社の商品やサービスをアピールするためのWebサイトは、BtoB企業においても必須と言えます。
とりわけSEO対策は、見込み顧客との接点を生むために重要です。
さまざまなキーワードで上位表示ができていれば、企業の担当者が情報収集をする際、目に留まります。検討企業の1つに加えてもらえるため、問い合わせにつながる確率が向上します。
BtoB事業はSEO対策と相性が良い
企業の担当者の多くは、仕事で使うサービスの情報をWebサイトで収集するため、BtoB事業はSEO対策と相性が良いと言われています。
実際に2023年にトライベック・ブランド戦略研究所が行った調査によると、以下のデータが出ています。
順位 | 情報源 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 企業のWebサイト | 65.1% |
2位 | カタログ・パンフレット | 42.3% |
3位 | 企業の社員の説明 | 39.1% |
2番目に多いカタログやパンフレットと20%以上の開きがあることからも、Webサイトの重要性がわかります。
さらに、同研究ではBtoBとBtoCのサイトの売り上げ貢献度の比較として、以下のデータも示されています。
BtoBサイトの平均 | 27.6% |
BtoCサイトの平均 | 7.6% |
このことから、BtoB事業とSEO対策の相性が良いことがわかります。
また、BtoB事業の商材は高額であることが多く、SEO対策に投資しても利益を回収できる可能性が高いです。一度上位に表示できれば、ランニングコストが不要になるため、広告よりも費用を抑えて運用できます。
一部例外もありますが、多くのBtoB事業にとってSEO対策は有効な施策であると言えるでしょう。
BtoB事業におけるSEO対策の考え方
BtoB事業の顧客となるユーザーの行動は、以下の4つに分けられます。
課題顕在化 | 社内で課題が顕在化し、解決のためにサービスや商品が必要になる |
情報収集 | 課題解決に向けて、サービスや商品の情報を集める |
比較検討 | 収集した情報の取捨選択を行い、依頼先を厳選する |
導入/購入 | サービスの契約や商品の購入を行う |
Webサイトからのコンバージョン率を高めるためには、それぞれのフェーズに適したコンテンツが必要です。具体的には以下の2つです。
- 集客用のコンテンツ
- 接客用のコンテンツ
それぞれ詳しく解説していきます。
集客用のコンテンツ
集客用のコンテンツは、まだ自社のことを知らない見込み顧客に向けたものです。課題の解決方法や専門用語の解説など、情報収集を行っているターゲットに対して、自社のことを知ってもらうために用意します。
たとえば、「SEO対策 やり方」「オウンドメディア とは」などのキーワードで上位表示を狙うコンテンツです。
接客用のコンテンツ
接客用のコンテンツは、ある程度自社のことを認知している顧客に向けたコンテンツです。自社サービスの詳細や魅力を訴求して、顧客を成約につなげるために用意します。
具体的には、技術やサポート内容、料金の紹介や導入事例、会社概要など比較検討に必要な情報を提供します。
集客用のコンテンツを合わせて充実させれば、自社の認知度に関わらず、顧客との接触機会を増やすことが可能です。
BtoB事業でSEO対策を行うメリット
BtoB事業を展開する企業にとって、SEO対策は無視できない重要な戦略です。SEO対策がもたらすメリットは大きく3つあげられます。
- 広告費の削減
- ブランディングの向上
- 資産性が高い
広告費削減
検索エンジンで上位表示されると、一般的な広告活動と比較して大幅な広告費の削減が可能となります。
特にBtoB事業では、ターゲットとなる企業やビジネスパーソンが情報収集を行う際に検索エンジンを利用することが多いため、SEO対策の重要性はさらに高まります。
ブランディングの向上
SEO対策により上位表示される機会が増えると、企業の認知度や信頼性が高まります。つまり、SEO対策は見つけやすさを向上させるだけでなく、ブランディングにも寄与するのです。
資産性が高い
SEO対策は、対策を施すとその効果が長期間続くことがメリットです。
これにより、短期的な広告活動とは異なり、一定の投資と労力で持続的な成果を得ることができます。特にBtoB事業では、長期的な関係性を築くことが重要なため、この効果は有用といえます。
SEO対策を行うべきBtoB事業の特徴
BtoB事業はSEO対策との相性がいいですが、中には不向きな業態もあります。
それぞれの特徴について解説していきます。
SEO対策と相性が良い事業
SEO対策と相性が良いBtoB事業には、以下の2つの特徴があります。
- 関連キーワードの検索ボリュームが多い
- 商材が高額
自社サービスに関連するキーワードの検索ボリュームが多いと、すでに検索している人がたくさんいるということです。上位表示できれば、多くの流入が見込めるため、SEO対策に向いています。
また扱っている商材が高額であれば、1コンバージョンあたりの利益が大きいため、対策への投資が回収しやすくなります。
サポートを目的としたコンテンツを増やして、顧客満足度を高めれば、紹介やリピートにつながりさらに利益率を高められるでしょう。
少ない費用で大きな売上を立てることも可能なので、SEO対策の導入をおすすめします。
SEO対策と相性が悪い事業
SEO対策と相性が悪いBtoB事業には、2つの特徴があります。
- 検索ボリュームが少ない
- YMYL領域の商材
検索している人がいない場合、どれだけサイトを上位に表示できても、見られることはほとんどありません。
また、自社商材がYMYLに該当する場合は、成果を上げるのが難しいです。YMYLとは、健康やお金など人生に大きく関わりのあるジャンルのことです。
YMYL領域に含まれるトピックを扱う場合、運営者の信頼性や権威性が特に重要視されます。そのため、専門家が作ったコンテンツより上位に表示されるのは現実的ではありません。
たとえば、商材が社員のヘルスケアに関するサービスの場合、体調管理や健康維持の考え方などを解説した記事が必要となります。
しかし医師や管理栄養士など、その道のプロが作成したコンテンツがすでに上位に表示されている場合、勝つのは難しいです。
ただし、社内に同様の権威性を持っているスタッフがいたり、専門家に記事の監修を依頼できたりする場合は、成功する可能性もあります。YMYLに該当する場合でも上位表示する方法はあるため、競合がSEOで成功している場合は対策を検討してみましょう。
BtoB事業でSEO対策を成功させるポイント
BtoB事業でSEO対策を成功させるポイントは、以下の6つです。
- ペルソナとカスタマージャーニーを明確にする
- E-E-A-Tを強化する
- ロングテールキーワードに力を入れる
- 検索キーワードを精査する
- コンテンツ制作のリソースを惜しまない
- PDCAを回す
それぞれ詳しく解説していきます。
ペルソナとカスタマージャーニーを明確にする
BtoBの場合、サービス導入の意思決定には、稟議やプレゼンなどを通して多くの人が関わります。闇雲にコンテンツを制作しても、決裁権を持つ担当者まで情報が届かず、成果につながらない恐れがあります。
そのため、ターゲット企業の誰にむけて情報を発信するのかを、具体的に決める必要があります。
そこで重要なのが、ペルソナとカスタマージャーニーを明確にすることです。顧客の状況や課題を可視化して対策キーワードを選定できるため、アプローチの精度が高くなります。
E-E-A-Tを強化する
E-E-A-Tは、Googleが定めているWebサイトの経験・専門性・権威性・信頼性を測る指標で、SEOの重要な要素です。
E-E-A-Tを高めるには、以下のポイントを押さえたコンテンツ制作が重要です。
- 質の高い情報を継続して発信する
- 自社で行った調査のデータなど独自情報を盛り込む
- 著者や監修者などの情報を明記する
- Webサイト(ドメイン)を長く運営する
Webサイトの信頼性や専門性を高めれば、ユーザーに有益な情報を届けられるのはもちろん、SEO評価も向上します。E-E-A-Tは一朝一夕で高められるものではないため、継続して更新を行いましょう。
ロングテールキーワードに力を入れる
ロングテールキーワードは「SEO対策 BtoB 必要」のような、複数のキーワードで構成されたキーワードです。
ビッグキーワードに比べて検索ボリュームは少ないですが、検索意図が明確です。上位表示しやすく、コンバージョンにつながりやすい傾向があるため、積極的に対策しましょう。
検索キーワードを精査する
対策キーワードがBtoC業態と干渉する場合は、注意が必要です。
たとえば、業務用の食品や飲料が商材の場合、多くのキーワードは一般消費者向けの商品と競合することから、ターゲットに届きづらいです。
そのため、対策するキーワードを選ぶ際は、検索ボリュームだけではなく、実際の検索結果の画面も確認しましょう。表示されているページがほとんどBtoC向けのページであれば、検索意図がずれている可能性が高いです。
コンバージョンへの結びつきやすさも考慮して、キーワードを精査しましょう。
コンテンツ制作のリソースを惜しまない
SEO対策では、質の高いコンテンツを継続して発信することが特に重要です。そのため、対策にかける社内リソースは惜しまないようにしましょう。
ただし、ある程度コンテンツが蓄積されて軌道に乗れば、少ない人員で運用を行えます。最終的に大きな費用対効果を得られるため、最初のうちは最大限のリソースを割いて対策しましょう。
PDCAを回す
SEO対策では、運用中の分析も欠かせません。制作したコンテンツの順位状況やコンバージョン率などを定期的に確認し、改善を行いましょう。
その際、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのアクセス解析ツールを活用すれば、効率的な分析が行えます。
また、流入が多いキーワードを参考に次の対策キーワードを考えるなど、新たな施策を立てることも重要です。定期的にPDCAを回して、より高い成果が得られるWebサイトに育てていきましょう。
リンクビルディングとオーソリティを構築する
リンクビルディングとは、自社のWebサイトに他のWebサイトからリンクを張ることです。
一方オーソリティとは、あるWebサイトがどの程度、信頼されているか、またはその分野でどれほど権威があるかを示す指標です。
リンクを得るためには、以下のような施策がおススメです。
- ゲストポスト:他のWebサイトやブログに自社の記事を掲載し、その記事から自社のWebサイトへのリンクを設置する。
- パートナーシップ:自社のパートナー企業や関連企業との間で相互にリンクを交換する。
- 高品質なコンテンツの作成:他のWebサイトが参照したくなるような、価値あるコンテンツを作成する。
リンクビルディングは品質が重要なので、闇雲に増やそうとしてスパムと判断されるような低品質なWebサイトからのリンクは避けましょう。
高品質なコンテンツを一貫して提供し、その分野での専門性と信頼性を示すことで、徐々にオーソリティを高めていくことが重要です。
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BtoB事業におけるSEO対策の注意点
BtoB事業におけるSEO対策は、その効果を最大限に引き出すためには注意しなければならないポイントが3つあります。
- 短期的な成果を求めないこと
- コンテンツの質を重視すること3.競合他社を分析すること
それぞれ詳しく解説していきます。
短期的な成果を求めないこと
SEO対策は、短期間で結果が出るものではありません。短期的な成果を求めるのではなく、長期的な視野で対策を行うことが重要です。
一般的なSEO対策の効果が出るまでの期間は、3ヶ月から6ヶ月程度といわれています。しかし、これはあくまでも目安であり、実際の効果が出るまでには、以下の要因によって大きく異なります。
- 狙うキーワードの競合状況
- 既存Webサイトの品質やコンテンツ量
- 施策の質と継続性
例えば、競合が少ないキーワードを狙ったり、既存Webサイトの品質が高かったりすれば、短期間で効果が出る可能性もあります。しかし、競合が激しいキーワードを狙ったり、既存Webサイトの品質が低かったりすれば、長期的な取り組みが必要になるでしょう。
コンテンツの質を重視すること
SEO対策の目標は、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、その結果として検索順位を上げることです。
単に検索エンジンのアルゴリズムに対応するためのテクニックを駆使するだけでなく、コンテンツそのものの質を高めなければ、ユーザーにとって必要な情報にはなりません。
具体的な方法として、ユーザーが求める情報を的確に提供する、専門性を示す、読みやすさを保つなどの工夫をしましょう。
競合他社を分析すること
BtoB事業におけるSEO対策でも、競合他社がどのようなキーワードやコンテンツで集客しているのかを分析することが大切です。
例えば、ニッチな領域を見つけ、それらのキーワードをターゲットにすることで、差別化を図ることができます。
競合他社も常に戦略を更新し、SEO対策を進めています。定期的に分析を行い、自社の戦略を見直すことが重要です。
BtoB事業でのSEO対策の具体的な手法
BtoB事業でのSEO対策の具体的な手法について、以下4つのポイントを中心に解説します。
- キーワードのリサーチ
- オンページSEOの強化
- オフページSEOの強化
- テクニカルSEOの最適化
キーワードのリサーチ
顧客が何を検索しているのかを理解するためにキーワードをリサーチしましょう。
自社のサービスや製品に関連するキーワードを調査し、それぞれの検索ボリュームや競争度を分析します。
特にBtoB事業では、業界特有の専門用語やビジネス用語がキーワードとして重要となることが多いです。
一度きりの実施ではなく、定期的にキーワードリサーチを更新し、SEO対策を見直しましょう。
オンページSEOの強化
Webサイト内の要素を最適化するオンページSEOを強化します。
具体的には、メタタグやヘッダータグの最適化、キーワードの適切な配置、コンテンツの質向上などが含まれます。
特に、タイトルタグは検索結果ページで表示されるため、ユーザーがクリックするかどうかに直接影響しますので非常に重要です。
また、検索エンジンは、ユーザーにとって有益な情報を提供するWebサイトを高く評価します。そのため、ユーザーの問いに対する適切な答えを提供する、専門性を示す、読みやすさを保つなどの工夫が必要です。
オフページSEOの強化
オフページSEOとは、Webサイト外の要素を最適化することで、Webサイトの検索エンジンにおける信頼性と権威性を高める手法を指します。
バックリンクの獲得が中心となりますが、ソーシャルシグナルやレビューの管理も含まれます。ソーシャルメディアの活用は、ブランドの認知度向上や直接のトラフィックの獲得にもつながるので、ぜひ活用したいところです。
テクニカルSEOの最適化
テクニカルSEOとは、Webサイトの技術的な側面を最適化することで、検索エンジンがWebサイトを適切にクロールおよびインデックスしやすくする手法です。
例えば、Webサイトの読み込み速度の改善、モバイルフレンドリーなデザインの実装などが含まれます。
BtoB事業では、ユーザーが専門的な情報を効率的に探すことができるよう、ナビゲーションの明瞭さやサイトの構造の整理などに注力しましょう。
まとめ:BtoB事業では積極的にSEO対策を実施しよう
BtoB事業でSEO対策を行えば、少ない費用で大きな成果が得られます。検索需要の高い業界や、自社商材が高額な場合は特に相性が良いため、積極的に取り入れましょう。
また、SEO対策を成功させるためには、カスタマージャーニーの明確化やE-E-A-Tなどが不可欠です。対策の際は社内リソースを惜しまず、分析や改善を行いながらPDCAを回せば、成果につながる可能性が高くなります。
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