BERTアップデートは2019年10月に実施され、同年12月に日本でも展開が完了しました。検索エンジンが複雑な検索クエリに対応できるようアルゴリズムの更新が行われ、SEOに大きな影響を与えました。
しかし、概要や変更点について、理解しきれていない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、GoogleがBERTアップデートを実施した理由やSEOへの影響、具体的な対策について解説していきます。
コンテンツの改善やSEO対策の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
BERTアップデートとは?
BERTアップデートは、検索結果により関連性の高い結果を表示させるために、Googleが実施した検索エンジンのアルゴリズムの更新です。
2019年10月に「BERT」が検索エンジンに組み込まれ、ユーザーの検索意図をより正確に汲み取れるようになりました。複雑なクエリでの検索結果の大きな改善に繋がり、SEO対策に大きな変化をもたらしました。
BERTとは?
BERTは、2018年10月にGoogleが公開した自然言語処理技術です。テキストの文脈やニュアンスを読み取ることを目的として開発されたAIで、検索エンジンの精度を向上させるために使われています。
BERTの実装以降は、検索クエリがただのテキストではなく、意味のある文章として認識されるようになりました。そのため、現在ではより関連性の高い検索結果が表示されています。
BERTアップデートの概要
BERTアップデートでは、会話型の検索クエリの読み取り精度が大きく向上しました。特に「〜のため」や「〜は」といった助詞を含むクエリで効果を発揮します。
たとえば、「誰かのために薬をもらえますか?」というクエリに対して、BERTアップデート前後で以下の結果に変わりました。
BERTアップデート前 | 薬の受け取り方について解説したWebページ |
BERTアップデート後 | 家族や友人が代わりに薬を受け取ることについて解説したページ |
BERT実装前は、キーワードを重視して検索結果が決まっていたため、「薬」だけに焦点を当てたWebページが表示されていました。
しかしアップデート後は「誰かのために」という言葉の意図を汲み取り、最適な検索結果を提示しています。また、検索クエリに対する回答を要約したテキストが表示される、強調スニペットの精度も向上しました。
参考:強調スニペットについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
BERTアップデートによって、ユーザーがより有益な情報を見つけやすい検索エンジンに進化したといえるでしょう。
GoogleがBERTアップデートを行なった理由
BERTアップデートが実行された理由は、以下の2つです。
- 検索クエリの多様化
- 音声検索への対応
それぞれ詳しく解説していきます。
検索クエリの多様化
近年ではスマホやタブレット、スマートスピーカーなどデバイスの種類が豊富になりました。検索がPCから行われるとは限らず、それぞれのデバイスの特性に合わせて検索クエリも多様化しています。
従来のキーワードにフォーカスした検索結果では対応が難しくなったため、高度な言語処理能力を持つBERTが開発、実装されました。
音声検索への対応
検索デバイスの多様化に伴い、音声検索を行うユーザーも増えています。音声検索では単一のクエリではなく、文章や話し言葉での検索が行われます。
そのため従来の検索エンジンでは、正確な検索結果を返すことが困難でした。
しかしBERTは、音声検索による長文での検索でも前後の文脈やニュアンスを読み取ることが可能です。今後さらなる増加が予想されるため、BERTは非常に有効な手段となりました。
BERTアップデートがSEOに与える影響
BERTアップデートによって複雑なクエリに対して、検索意図に沿った検索結果を表示されるようになりました。そのため、キーワードを盛り込んだだけのSEOコンテンツは、大きく順位を落としました。
中でも影響を強く受けたのは、以下2つの検索クエリで表示されていたページです。
- ロングテールキーワード
- 音声検索などの会話型のクエリ
ロングテールキーワードは、3〜4語程度の単語で構成された複合型のキーワードです。
たとえば「SEO対策 仕組み 簡単に」「リスティング広告 料金 どのくらい」などの複合キーワードです。検索ボリュームが少ないですが、検索意図がはっきりしているため、コンバージョンにつながりやすいメリットがあります。
しかし、ロングテールキーワードは様々なキーワードが盛り込まれる分、複雑になりやすいです。また音声検索も同様で、「明日の天気を教えて」など、疑問をそのまま話して検索されるケースが多く、クエリが複雑になります。
そのため、BERTアップデート以前はユーザーニーズとズレた検索結果が表示されることが多々ありました。現在では、BERTの実装により複雑なクエリに対しても精度の高い検索結果が表示されるようになっています。
BERTアップデート後のSEO対策のポイント
BERTアップデートにより、検索エンジンがユーザーの検索意図を考慮するようになりました。そのため、ユーザーファーストをより強く意識したコンテンツ制作が求められます。
BERTに対応したコンテンツ制作では、以下の2つのポイントを押さえましょう。
- ユーザーが理解しやすい文章でコンテンツを制作する
- ユーザーの検索意図を考える
それぞれ詳しく解説していきます。
ユーザーが理解しやすい文章でコンテンツを制作する
BERTアルゴリズムによって、検索エンジンは文脈を読み取れるようになっています。そのため、人間にとってわかりやすい文章を意識すれば、検索クエリとの関連性がクローラーに認識され、評価につながります。
わかりやすい文章を作成するには、以下のポイントを意識しましょう。
- 誤字脱字を無くす
- 主語をちゃんと書く
- 主語と述語を離しすぎない
- 読点で文章を適切に区切る
- 適度に段落を変える
- 冗長表現を避ける
- できるだけ短い言葉に置き換える
上記を意識し、ユーザーの視認性を向上すれば、読みやすく理解しやすい文章になります。
また本文だけでなく、タイトルと見出しもわかりやすい構成で作りましょう。それぞれ適切に文章作成をすることで、より検索クエリと関連性の高いWebページに仕上げられます。
検索エンジンに評価されやすくなるだけでなく、ユーザビリティの向上により、間接的にSEOに良い影響ももたらします。
ユーザーの検索意図を考える
ユーザーの検索意図を探るためには、対策するキーワードで検索を行いましょう。上位に表示されているページを分析すれば、Googleがキーワードから汲み取った検索意図が見えてきます。タイトルや見出し構成、本文を参考に自社のコンテンツを作成しましょう。
その際、以下の3点を意識すれば上位に表示される可能性が高くなります。
- 競合ページに載っていない独自情報を含める
- 競合よりもわかりやすい文章で書く
- タイトルや本文に対策キーワードを適度に含める
ユーザーのニーズを満たしながら、検索意図を汲み取ったコンテンツに仕上がるため、検索エンジンに評価されやすくなります。
ただし、競合のサイトをコピーしただけのページにならないように注意が必要です。重複コンテンツと見なされれば、ペナルティを受ける可能性があります。
あくまで参考程度にとどめ、オリジナリティの高いコンテンツを制作しましょう。
まとめ:BERTに対応するためには、ユーザーファーストのコンテンツ制作が不可欠
BERTアップデートにより、検索エンジンが検索クエリの文脈やニュアンスを読み取れるようになりました。そのため、現代のSEOでは検索意図に沿ったコンテンツ制作が求められます。
ユーザーファーストなコンテンツの制作には、わかりやすい文章構成と検索意図の正確な把握が不可欠です。この記事を参考に、ユーザーにより有益な情報を提供するページを作成してください。
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