
コンテンツの質を見直すきっかけとなった、ヘルプフルコンテンツアップデート。一部のジャンルでは検索順位が大きく変わり、今後のWebサイト運営を見直す必要性を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ヘルプフルコンテンツアップデートの概要や影響、具体的な対策方法について解説します。
「サイトの評価を高めて、検索順位の下落を防ぎたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ヘルプフルコンテンツアップデートとは
ヘルプフルコンテンツアップデートとは、2022年8月に実施されたGoogleの検索アルゴリズムアップデートです。
英語のコンテンツのみを対象としてグローバル展開されたため、日本のWebサイトにはしばらく影響がないと考えられていました。
しかし、同年12月に再度行われたアップデートによって、すべての言語への対応が完了した旨をGoogleが発表しています。
ヘルプフルコンテンツシステムとの違い
ヘルプフルコンテンツアップデートのことを、「ヘルプフルコンテンツシステム」と説明されることがあります。どちらを使っても間違いではありませんが、厳密には以下の違いがあることを理解しておきましょう。
ヘルプフルコンテンツアップデート |
ヘルプフルコンテンツシステムを検索エンジンに実装するために行われたアルゴリズムの更新 |
ヘルプフルコンテンツシステム |
ヘルプフルコンテンツアップデートによって検索エンジンに実装されたアルゴリズムそのもの |
また、ヘルプフルコンテンツシステムに限らず、他のアップデートも同様に実装後はシステムと呼ばれています。
ヘルプフルコンテンツアップデートの概要
ヘルプフルコンテンツアップデートの目的は、ユーザーに価値を提供しているコンテンツと期待に応えていない低品質なコンテンツの差別化を図ることです。Googleは創業当初からユーザーの利便性を第一に考えており、これを実現するためのアップデートを繰り返しています。
しかし、近年のGoogleのアップデートは、良質なコンテンツがより評価されるように基準を変更するものがほとんどでした。ヘルプフルコンテンツアップデートでは、“低品質なコンテンツの順位を下げる”旨が明言されたため、大きな話題を呼びました。
また、ページ単位ではなくサイト単位での適用である点も、ヘルプフルコンテンツアップデートが重要視されている点です。今後はWebサイトの設計段階からユーザーのことを考え抜いて作られたコンテンツが上位に表示されやすくなります。
ヘルプフルコンテンツアップデートでは、コンテンツの質に対する評価基準が変わりました。Googleを利用するユーザーの満足度をより高めるために、今まで以上にユーザーに寄り添ったコンテンツ制作が求められています。
ヘルプフルコンテンツアップデートが実施された背景
ヘルプフルコンテンツアップデートが実施された背景には、上位表示だけを目的とした低品質なコンテンツの増加があげられます。
競合優位性を意識しすぎた結果、アップデート前はユーザーへの配慮を忘れているコンテンツが散見されました。網羅性ばかり重視して、大切な情報が分かりにくいコンテンツも少なくありません。
アップデート後は、ユーザー満足度を高めるための施策がより一層、重要性を増しています。
ヘルプフルコンテンツアップデートとスパムアップデートの違い
スパムアップデートは、アルゴリズム内のスパムを検出するシステムを改善するために行われるアップデートです。
Googleは、ユーザーに不利益を与えるような悪質なサイトが検索結果に表示されないように、自動システムを使って記事を監視しています。つまり、スパムアップデートはコンテンツを直接評価するアップデートではなく、システムの改善のことを指します。
ヘルプフルコンテンツアップデートと同様に、低品質なコンテンツの排除を目的として行われますが、スパムにフォーカスしている点が異なります。
ヘルプフルコンテンツアップデートの影響
ヘルプフルコンテンツアップデートにより、コンテンツの質に対する評価基準が一部変更されました。
今回のアップデートを有効活用するためにも、「質の高いコンテンツ」と「質の低いコンテンツ」の違いを理解しておきましょう。
質の高いコンテンツとは
質の高いコンテンツには、以下の特徴があります。
- 専門性・権威性・信頼性がある
- オリジナル情報が盛り込まれている
- Webサイト全体のテーマが統一されている
- ユーザーの悩みを解決できる
- コアアップデートと製品レビューのガイダンスに留意している
専門家に記事を監修してもらったり、オリジナル画像や独自の統計データを利用したりすることで、好影響を受けたWebサイトも少なくありません。
レビュー記事でも、実際に使ったからこそ分かるリアルな内容が書かれていたことで、アップデートにより良い方向へと進んだWebサイトもあります。独自の視点や切り口を持っており、訪れたユーザーが満足するようなコンテンツは、Googleからの評価も高くなるでしょう。
質の低いコンテンツとは
下記の特徴を持つコンテンツは、低品質と判断されるリスクがあるため注意が必要です。
- 実体験に基づかない虚偽の情報が羅列している
- 他サイトと内容が似通っている
- さまざまなテーマで大量にコンテンツを作成している
- ユーザーの悩みを解決できず、再検索につながる
- 検索エンジンのために書かれている
他のWebサイトの情報をまとめただけのコンテンツは、検索順位を下げられる可能性があります。
また、情報量が多くて視覚的に読みづらく、ユーザーがすぐに離脱したり再検索を行ったりするコンテンツは、検索順位が下がっています。検索エンジンのためのSEO対策も大切ですが、ヘルプフルコンテンツアップデート後は、ユーザーの満足度を高めるほうが重要になりました。
影響を受けるコンテンツの例
ヘルプフルコンテンツアップデートにより、一部のジャンルでは検索順位が大きく変動しました。
- 歌詞検索サイト
- 英文法学習サイト
- 本・ゲームのまとめサイト
上記のようなジャンルでは競合サイトとの差別化が難しく、検索順位を大きく落としたところも少なくありません。情報を羅列しただけ、他サイトの内容を要約しただけのコンテンツでは、Googleから評価されないのが現状です。
サイト運営者の実体験に基づく内容や、独自の考え方などを盛り込むことで、他サイトとの差別化を図る必要があるでしょう。
ヘルプフルコンテンツアップデートはサイト単位で適用される
ヘルプフルコンテンツアップデートによる評価は、サイト単位で適用される点に注意が必要です。つまり、どれだけ高品質なコンテンツを作成しても、同一サイト内に低品質なコンテンツが大量にある場合、SEOにおいて不利になります。
また、上位に表示されていたページが、他のコンテンツの悪影響を受けて順位を落とすリスクもあります。一方で、継続して良質な情報を発信し続けているサイトは、各ページの評価が改められ、順位の向上が期待できます。
記事単位での品質向上だけではなく、不要なページを削除なども合わせて行いましょう。
一度低下した順位は元に戻るとは限らない
ヘルプフルコンテンツアップデートで悪影響を受けても、然るべき対策を行えば改善は可能です。
しかしGoogleは、改善をすぐに反映してくれるわけではありません。一度マイナス評価を受けると、再評価されるまでに数ヶ月〜数年かかることもあるため、初期から有益性を重視した対策が求められます。
また、評価がプラスに転じても一度低下した順位が元に戻るとは限らないため、注意しましょう。
ヘルプフルコンテンツアップデートに向けた対策
ヘルプフルコンテンツアップデートへの対策としては、次の5つがあげられます。
- ユーザーファーストなコンテンツを制作する
- サイト全体を見直す
- 低品質なコンテンツを削除する
- 数か月単位で効果測定する
- E-E-A-Tを高める
一つひとつ詳しく解説します。
ユーザーファーストなコンテンツを制作する
ヘルプフルコンテンツアップデートは、有益なコンテンツを上位表示するために行われたアップデートです。そのため、ユーザーファーストなコンテンツを継続して制作することが、最も有効な対策となります。
ユーザーファーストなコンテンツを制作するためには、事前調査が重要です。検索意図の把握やペルソナの設定を十分に行った上で、ターゲットが求めている情報を可視化しましょう。
一つひとつ考え抜いてコンテンツを制作していけば、特別な対策をしなくても自然に結果はついてきます。
サイト全体を見直す
コンテンツ量が豊富な大規模なWebサイトでは、全体的な見直しが必要です。
大規模サイトのなかには、公開してから時間がたって情報が古くなっているコンテンツや、アップデート以前のアルゴリズムに沿って作られたコンテンツも少なくありません。
コンテンツごとの検索順位を調査して、アップデートを境に検索順位が大きく下落しているものがあれば、何かしらの対策を講じるべきでしょう。
ヘルプフルコンテンツアップデート後は「Webサイト全体の総合力で戦う」という意識を持つ必要があります。
低品質なコンテンツを削除する
Googleのアルゴリズムアップデートにより検索順位が下がったコンテンツは、インデックスから削除するのも選択肢の1つです。これまでのアルゴリズムでは、コンテンツ単位での評価が重要でしたが、アップデート以降はサイト全体の評価が重視されるためです。
アップデート前 |
・低品質なコンテンツは、Googleから評価されない。 |
アップデート後 |
・低品質なコンテンツは、Googleからマイナス評価を受ける。 |
ヘルプフルコンテンツアップデートの実施後は、低品質なコンテンツがあることでサイト全体の評価が低くなると考えられています。高品質なコンテンツだけを残して少数精鋭なサイト運営戦略に切り替えるのも、場合によっては有効でしょう。
数か月単位で効果測定する
順位が下落したコンテンツに対して、リライトや記事統合などの施策を行なう際は、数か月単位での効果測定が必要です。
「Google 検索で自分のページが見つからない場合」にも記載されている通り、インデックス登録が完了するまでには数週間かかる場合もあるためです。
また、アップデート直後は検索順位が変動しやすいため、一定期間は様子を見るのも戦略の1つでしょう。コンテンツの検索順位が安定するまでは数週間から数か月かかる場合もあるので、ある程度落ち着いてから対策するのもおすすめです。
E-E-A-Tを高める
E-E-A-Tとは、Googleが定めているページの品質を評価する指標の1つで、以下4つの要素から構成されています。
- 経験(Experience)
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trustworthiness)
E-E-A-Tと検索順位の関係について、Googleは以下のように発信しています。
E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。
また、Googleには「検索品質評価者」と呼ばれるE-E-A-Tが優れたコンテンツであるかを判断するために訓練を受けた人員がいます。
上記のことからも、ユーザーファーストなコンテンツを作成する上でE-E-A-Tは非常に重要な位置づけであることがわかります。そのため、E-E-A-Tの向上に努めれば、ヘルプフルコンテンツアップデートで良い影響を受けられるでしょう。
ヘルプフルコンテンツアップデートに関してよくある質問
ヘルプフルコンテンツアップデートについて学ぶ際によくある質問を以下にまとめました。
それぞれ確認してみてください。
アルゴリズムの更新とは何のことですか?
アルゴリズムの更新は、Googleが検索エンジンをユーザーにより有益なものにするために行うアップデート作業です。
アルゴリズムとは、Googleの検索エンジンが順位を決定するためのルールで、200以上のシステムが複雑に絡み合って構成されています。時代の流れによるユーザーニーズの変動やWeb業界の変化などに対応するために、年に何度も実施されます。
中でも、システムの根幹に変更を加える更新は、コアアップデートと呼ばれ、大きな順位変動を与えることも少なくありません。
コアアップデートでなくとも、大きな変革をもたらす更新には独自の名称が付けられることがあり、ヘルプフルコンテンツアップデートもその1つです。
ヘルプフルコンテンツアップデートはいつ行われましたか?
ヘルプフルコンテンツアップデートは、過去2回実施されました。
日付 |
内容 |
2022年8月25日 |
英語コンテンツのみを対象としたグローバル展開 |
2022年12月5日 |
すべての言語で作成されたコンテンツに対応 |
ヘルプフルコンテンツアップデートは日本語に対応していますか?
ヘルプフルコンテンツアップデートは現在、日本語に対応しています。
初回のアップデート時には英語で作成されたコンテンツのみでしたが、2022年12月5日以降日本語にも対応しました。
まとめ:ヘルプフルコンテンツアップデート対策をしよう
ヘルプフルコンテンツアップデートとは、ユーザー満足度を高めるために実施されたGoogleの検索アルゴリズムアップデートです。コンテンツの質に対する評価軸が変更され、検索順位に変動が見られました。
ヘルプフルコンテンツアップデートにより検索順位が下落したコンテンツは、リライトしたり削除したりする必要があります。コンテンツの質を高める重要性は今後も高まっていくと予想されるので、ユーザーを第一に考えたコンテンツ制作を意識すると良いでしょう。
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