エイチレフス(Ahrefs)は、世界で約60万人が導入しているSEO分析ツールです。自社サイトのアクセス解析はもちろん、競合サイトの解析もできるため、SEOに関するさまざまな調査が行えます。
しかし、専門的なツールで料金も安くはないため、導入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Ahrefsの概要や使い方、料金や導入の注意点について解説していきます。アクセス解析の質を向上させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
エイチレフス(Ahrefs)とは
Ahrefsは、世界で60万人が導入しているSEOチェックツールです。世界最大級の解析用データを保有し、独自のデータベースに基づいて高精度なサイト分析が行えます。
特に被リンクの調査に優れたツールとして知られ、Ahrefsが所有している被リンクデータは2022年6月時点で、26.9兆に上ると言われています。さらに4,020億ものサイトURLデータを網羅しているとの言及もあり、現在もデータベースは増え続けているそうです。
またAhrefsは、CEOの「Dmitry Gerasimenko」が開発した、検索エンジンがベースとなっているため、優れたクロール能力を有しています。
このことからも、情報量に圧倒的に自信を持っているツールであることがうかがえます。
エイチレフス(Ahrefs)の主な機能
Ahrefsの主な機能は以下の通りです。
- サイトエクスプローラー
- コンテンツエクスプローラー
- キーワードエクスプローラー
- アラート機能
- ランキング調査
- Ahrefs API
それぞれの機能について解説します。
サイトエクスプローラー
サイトエクスプローラーとは、ドメイン単位やURL単位でSEO調査をする機能です。調査したいサイトの被リンクや流入キーワード、有料検索広告などを調査できます。
「競合サイトの流入キーワードであり、自社サイトの流入キーワードでないもの」を中心に対策すると、サイト流入の増加が期待できます。
Ahrefsを利用すると、Google Search Consoleだけでは把握しきれない不自然なリンクも抽出可能です。Googleからスパム警告が来た際も、スピーディーに対応できるでしょう。
コンテンツエクスプローラー
コンテンツエクスプローラーは、SNSで話題のコンテンツを調査するための機能です。調べたいキーワードを入力すると、関連性が高い話題のコンテンツが表示されます。
コンテンツエクスプローラーを活用すると、SNSで話題の内容をもとにした、エンゲージメントの高いコンテンツ制作が実現するでしょう。
話題になった時期やソーシャルシグナルもわかるため、トレンド分析の際にも便利な機能です。
キーワードエクスプローラー
キーワードエクスプローラーとは、キーワードごとの検索ボリュームや上位表示の難易度を調べるツールです。競合対策やキーワード選定の際に重宝するツールといえます。
コンテンツ制作に取り組む前に、対象となるキーワードを調査することで、成果につながりやすいものから優先的に対策できます。
事前調査により、検索ボリュームが少なすぎるキーワードや難易度が高いキーワードを避けられるため、効率良くサイト流入を増やせるでしょう。
ランキング調査
Ahrefsのランキング調査機能を使うと、自社サイトや競合サイトのキーワード順位の推移をチェックできます。
過去の順位履歴を調べたり、定期的なレポート送信を設定したりといった使い方も可能です。重点的に対策したいキーワードをレポーティング設定すると、検索順位の変動にいち早く気づけるでしょう。
キーワード順位を上げるときだけでなく、すでに上位表示しているキーワード順位を維持するためにも活用できます。
Ahrefs API
Ahrefsでは、APIの利用も可能です。対象サイトの情報を自動出力するように設定したり、社内ツールに組み込んだりすることで、より効率的なSEO対策が実現するでしょう。
Ahrefs APIを利用するためには、有料プランへの登録が必要です。無料では利用できないので、Ahrefsの利用規約を読んだうえで自社に合うプランへ申し込みましょう。
エイチレフス(Ahrefs)の使い方とできること
Ahrefsでは、主に以下の調査や分析ができます。
- 被リンクの調査
- キーワード選定
- アクセス解析
- サイトヘルスの調査
- 競合サイトの分析
- ドメインパワーの調査
- 検索ボリュームの変動
それぞれ詳しく解説していきます。
被リンクの調査
被リンクの調査は、Ahrefsが最も得意としている項目です。
「AhrefsBot」と呼ばれる独自のクローラーが被リンク情報を収集し、ドメインランク
(DR)と呼ばれる指標で評価してくれます。
他にも、被リンクの数や参照元ドメイン、獲得の推移をグラフで確認できます。調査したいサイトをダッシュボードに登録しておけば、自サイト競合問わず自動でチェックしてくれます。
関連記事:SEOにおける被リンクとは?獲得する5つのポイントを解説
キーワード選定
「Keywords Explorer」という機能を使って、キーワード選定もできます。調査したいキーワードを入力するだけで以下の情報を得られます。
- 検索ボリューム
- 期待できるトラフィック数
- 上位表示難易度
- サジェストキーワード
- 関連キーワード
トラフィック数や検索ボリュームを参考に、対策すべきキーワードの優先順位を決めやすくなります。
また「Site Explorer」という機能を使えば、競合サイトの流入キーワード調査も可能です。効率的にキーワード選定が行えるため、積極的に活用しましょう。
アクセス解析
「Site Explorer」という機能を使えば、下記の情報が得られます。
- 被リンクの状況
- インデックスキーワード数
- トラフィック数
- 自然検索からの流入数
- 広告からの流入数
URLを入力するだけで、アクセス解析に必要な情報を即時抽出してくれます。競合サイトのアクセス解析も行えるため、ベンチマークとしているサイトは積極的に調査してみましょう。
関連記事:アクセス解析で見るべきポイントは?成功のためのポイントも解説
サイトヘルスの調査
サイトに起きている不具合や、設定の不備などを検出して教えてくれます。修正しないとSEO上不利になる、ユーザビリティの低下を招くなどの可能性があるエラーを教えてくれます。
たとえば以下のような項目です。
- リンク切れ
- 不適切な画像サイズ
- 不自然なリダイレクト
- サーバーエラー
エラーが起きているページのURLも教えてくれるため、効率的な改善が行えます。また、サイトの状態を「サイトヘルススコア」という指標で表示してくれるため、視覚的にもわかりやすく便利です。
競合サイトの分析
Ahrefsでは、サイトのURLを入力するだけで以下のような情報を解析できます。
- 競合のドメインレートをベンチマークに設定
- 流入が多いキーワード調査して対抗コンテンツを作る
- 競合の被リンクを調べて、獲得しやすいコンテンツの傾向を把握する
- 被リンクの参照元を確認
一方で、自社サイトの情報も解析されている可能性があるので理解しておきましょう。
ドメインパワーの調査
Ahrefsでは、ドメインパワーを測定する指標としてDR(Domein Rating)というスコアを使用しています。
Ahrefs独自のアルゴリズムでサイトを評価して、DRスコアを算出しています。DRスコアは検索順位にも大きく影響する数値であり、これが高いほど上位表示しやすくなります。
自社サイトよりも競合サイトのDRスコアが高い場合は、良いコンテンツを作成しても上位表示するのは難しいといえるでしょう。
自社サイトのDRスコアが低い場合は、コンテンツの改善よりも被リンク対策が重要になります。質の高い被リンクを集めることを最優先事項にすることで、サイト全体の検索順位を効率良く高められるでしょう。
関連記事:ドメインパワーとは?SEOへの影響や計測ツールを紹介
検索ボリュームの変動
Ahrefsのキーワードエクスプローラーには、SERP position historyという機能があります。SERP position historyを使うと、キーワードごとに上位表示サイトの順位履歴が確認できます。
SERP position historyでは、指定したキーワードにおける上位表示サイトの順位変動履歴がグラフで表示されます。
SERPの順位履歴をチェックすることで、検索エンジンから評価されるサイト、評価されないサイトの視覚的な把握が可能です。
SEO対策の方向性を決める際に役立つ使い方なので、押さえておくと良いでしょう。
エイチレフス(Ahrefs)の料金
Ahrefsには、4つの料金プランがあります。
ライト | スタンダード | アドバンスド | エンタープライズ | |
---|---|---|---|---|
料金(月払い) | 約99$ | 約199$ | 約299$ | 約999$ |
料金(年払い) | 約999$ | 約1,992$ | 約3,996$ | 約9,996$ |
登録可能サイト数 | 5 | 20 | 50 | 100 |
ランクトラッカー登録可能キーワード数 | 750 | 2,000 | 5,000 | 10,000 |
ランクトラッカーデータ更新頻度 | 毎週 | 毎週 | 毎週 | 毎週 |
いずれのプランも初期費用は無料で、支払い方法が月額と年額から選択できます。
年額の場合は、月払いに比べて2ヶ月分安くなるため、長期的に運用する方は年間払いをおすすめします。一番安いライトプランでも、日本円で10万円程度の料金がかかり、アクセス解析ツールの中では高価です。
しかし調査力や解析データの精度も高いため、予算に余裕がある場合は導入をおすすめします。どのプランを選んでも、同じ機能を使えるため、自社サイトの規模や調査したい競合サイトの数に合わせて最適なプランを選びましょう。
エイチレフス(Ahrefs)に無料版はある?
Ahrefsに無料版はなく、有料版のトライアルもありません。しかし「Free SEO Tools」という、下記のAhrefsの機能を簡易的に使えるツールが提供されています。
- キーワード調査
- 被リンクのチェック
- リンク切れチェック
- サイトオーソリティのチェック
- サイトのトラフィックチェック
簡易版ではありますが、データベースや調査の仕組みなどはAhrefsと同じものが使われています。自社サイトはもちろん競合サイトの調査も行え、URLを入力するだけで使えるため、一度利用してみましょう。
エイチレフス(Ahrefs)の注意点
Ahrefsの利用には、下記の注意点を押さえる必要があります。
- 日本語対応していない
- データは独自の基準に過ぎない
- 料金が高い
それぞれ詳しく解説していきます。
完全に日本語対応していない
Ahrefsの管理画面は、一部日本語に対応していません。そのため、本格的に使うにはある程度、英語の理解が求められます。
ブラウザの翻訳機能を使えば日本語での利用も可能ですが、独自の指標が多いことから正確な翻訳がなされないこともあります。
特に修正箇所やエラーの表記などは、複雑な文章で提示されることも多いため、注意が必要です。
データは独自の基準にすぎない
AhrefsはGoogleの順位決定の仕組みを独自に解析し、それに合わせた解析ツールに過ぎません。データの精度は高いですが、あくまで独自の基準に過ぎません。
Ahrefsだけに頼るのではなく、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどの公式ツールとの並行利用がおすすめです。
【関連記事】
Googleアナリティクスとは?設定方法や導入手順・使い方を解説
Googleサーチコンソールの機能や使い方を初心者向けに解説【2024年版】
料金が高い
Ahrefsは無料プランがなく、他のSEOツールと比べると高価です。最も安いプランは月々1万円程度で利用できますが、アクセス解析の性質上ひと月だけ導入してもあまり意味がありません。
最低でも3ヶ月や半年など、一定以上の期間利用することを考えれば、ランニングコストが嵩みます。
また、料金はUSドルでの支払いとなるため、円の相場によっても料金が変動する点にも注意しましょう。
エイチレフス(Ahrefs)に関するよくある質問
Ahrefsに関するよくある質問と、その回答を紹介します。
エイチレフス(Ahrefs)を使うメリットは?
Ahrefsを使う最大のメリットは、競合サイトの被リンク情報をチェックできることです。被リンクの数と質は検索順位にも大きく影響を及ぼすため、SEO対策のなかでも重要とされています。
Ahrefsでは、競合サイトの被リンク数はもちろんのこと、被リンク元のURLやアンカーテキストの内容まで調査可能です。競合サイトと自社サイトの被リンク状況を比較することで、自社サイトのさらなる改善につながるでしょう。
エイチレフス(Ahrefs)のURとは何ですか?
AhrefsのURとは、URL Ratingの略語です。URLごとに内部リンクや被リンクの数・質を評価して、0から100までの数値で評価します。
Ahrefsでは、URの数値が高いほどページの質が高いと判断されます。AhrefsのDRはドメイン自体の被リンクにより変動しますが、URは特定のURLごとの被リンクにより変動します。
個別のページごとに改善すべきポイントが見えてくるのが、URの特徴といえるでしょう。URをもとにしたページごとの改善を積み重ねることで、サイト全体の評価が高まり、DRも上昇する可能性があります。
まとめ:エイチレフス(Ahrefs)を使えばサイトの分析を効率化できる
Ahrefsを使えば、自社サイトのアクセス解析はもちろん、競合サイトのデータも得られるため、SEO対策の効率が上がります。シンプルな操作で、高精度なデータが得られるため、世界中で人気のツールです。
しかし得られる情報は、Ahrefsの独自基準であるため、Googleが公式で提供しているアクセス解析ツールとの併用をおすすめします。
また無料プランは存在しないため、利用に費用がかかる点も確認しましょう。
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