インターネット上にはさまざまな情報が溢れているため、商品やサービスについて伝えるためには工夫が必要です。Web広告を活用すれば、ユーザーに自社の魅力を伝えられるようになります。
そこで今回は、Web広告の特徴や仕組みについてわかりやすく丁寧に解説します。Web広告の活用方法について知りたい担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Web広告とは?
Web広告とは、インターネットを活用して出稿するタイプの広告のことです。インターネットを通じて発信される広告は、すべてWeb広告に該当します。
オンライン広告やインターネット広告とも呼ばれ、主にデジタルマーケティングの一環として活用されます。
Web広告が出稿できる媒体は検索エンジンやWebメディア、SNS、メールなどさまざまです。
GoogleやYahoo!JAPANなどで検索した際に表示されるリスティング広告や、メディアの広告枠に出稿するリスティング広告、動画広告などフォーマットも多岐に渡ります。
Web広告の目的は、ユーザーに対して商品やサービスを訴求し、特定のページへと誘導して資料請求や商品購入といったコンバージョンにつなげることです。
インターネットを活用し、全世界に発信できるWeb広告を出稿することで、大きな成果に期待できます。
Web広告が注目される背景
昨今、Web広告が注目される背景には、「インターネット利用者の増加」や「メディアの多様化」「消費者行動の変化」などが挙げられます。
スマートフォンの需要拡大により、いつどこにいても、手軽にWebサイトやSNSにアクセスできる世の中になりました。
総務省の「情報通信白書(令和4年度)」によると、13歳から59歳までのインターネット利用率は90%を超え、男女ともにほぼ全ての年代で利用率が9割に達しています。
また従来のテレビや新聞などのマスメディアに加え、近年はさまざまなSNSや動画サイトなどの新しいメディアが次々と登場。
これにより、特定の趣味や嗜好を持つユーザーに対し、より精度の高い広告を配信できるようになりました。
また近年は、消費者が商品を購入する前にも、インターネットを活用して積極的に情報収集が行われる傾向にあります。
このように、さまざまな要因からユーザーがインターネットを利用する機会が増え、Web上でリーチする機会が増えているのです。
Web広告のメリット
Web広告を出稿することによって、具体的にどのようなメリットが得られるか想像がつかない方もいるでしょう。
Web広告は従来の広告手法に比べて、次のようなメリットが得られます。
- 即効性が高い
- 効果測定しやすい
- ターゲットを指定できる
- 費用が抑えられやすい
- 配信内容をスムーズに変更できる
それぞれのメリットについて理解を深めましょう。
即効性が高い
Web広告のメリットは、効果がすぐに表れやすいことです。
媒体によっては、出稿の手続きがインターネット上ですぐに完結し、即日からユーザーの目に触れる位置に広告が表示されます。
オフラインでの広告媒体の場合は、打ち合わせやクリエイティブの制作などに、数週間から数ヶ月の時間を要することも。
また広告を活用せずにWebマーケティングを行う場合も、成果が得られるまでに時間がかかります。
Web広告は自社の商品やサービスに対して興味関心の高いユーザーに広告を表示できるため、コンバージョンしやすい面でも優れています。
効果測定しやすい
Web広告は、オフラインの施策に比べて効果測定しやすいメリットがあります。
オフラインマーケティングの場合は、どの施策がコンバージョンにつながったのかを明確に測定できません。
Web広告はインターネットを活用して出稿するため、さまざまなデータが得られます。
たとえば、クリック数やコンバージョン率など、データ分析に必要な数値を容易に測定することが可能です。
出稿した広告の効果測定ができるため、細かい調整を行いながら運用が進められます。
ただし取得できるデータが多い分、分析する際の知識や技術も求められます。
したがってWeb広告を活用する際は、分析能力のある人材の活用や、専門的な知識を持ったプロに依頼する方法が効果的です。
ターゲットを指定できる
Web広告は、ピンポイントでターゲットにアプローチできます。
インターネット上のユーザー行動は、WebブラウザやSNSなどを通じて追跡されます。
そこから取得された情報(行動履歴・地域・趣味等)に沿って、プラットフォーマーが表示させる広告の内容をカスタマイズする仕組みです。
昨今では、ユーザー自身が興味のある広告を選べる方式も増えています。
また、ユーザーが特定の事柄に興味を持っているタイミングでの広告表示が可能です。
たとえばWeb制作会社の場合は「ホームページ作成」と調べたユーザーに対して、広告を出稿することもできます。
このようにWeb広告はカスタマイズ性が高いため、成果につながりやすいメリットがあります。
費用が抑えられやすい
Web広告は、従来のマス広告よりも低コストで始められます。
たとえばテレビCMの場合は数百万といった多額の予算が必要になりますが、Web広告の場合は数千円からスタートできます。
1件あたりの費用が安いため、いくつかのパターンを用意してテスト配信を行うことも可能です。
また、「ユーザーのクリック」や「購入」といった特定のアクションに応じて課金される方式も選択できます。
上述の課金方式では、表示されるだけでは費用がかからない仕組みであるため、費用対効果を高められます。
さらに広告を見せる相手が限定できる点からも、コストパフォーマンスに優れた手法です。
配信内容をスムーズに変更できる
Web広告は配信内容のカスタマイズ性が高く、リアルタイムで変更できるメリットがあります。
出稿期間や広告費を柔軟に変更できるため、効果を見ながら臨機応変に運用することが可能です。
まずは短期間から出稿し、思うような成果が得られなかった場合は、ターゲティングやクリエイティブを改善して方向転換を図れます。
広告フォーマットやキーワードごとの費用対効果を分析し、予算配分を調整することも容易です。
このようにスムーズな変更が可能であるため、広告をより早く改善できます。
Web広告のデメリット
Web広告を出稿することで多くのメリットが得られますが、一方で次のようなデメリットもあります。
- 媒体やターゲティングに左右される
- 競合性が高いと費用が高くなる
- 広告を嫌うユーザーがいる
デメリットや特性を把握して、適切にWeb広告を運用しましょう。
媒体やターゲティングに左右される
同じクリエイティブを用意したとしても、配信先の媒体やどのようなターゲティング設定を行うかで成果に差が出ます。
ターゲティング設定や配信先を間違うと、興味のないユーザーに広告が表示されてしまうため、十分な効果が得られません。
広告の効果を高めるためには、目的やターゲット層に合わせてクリエイティブを最適化し、届けたいユーザーに配信できる媒体を選ぶ必要があります。
年齢、性別、地域、興味関心などさまざまな属性を組み合わせて、最適なターゲティング設定を行いましょう。
また必ずデータを測定し、効果検証を行いながら改善することが重要です。
競合性が高いと費用が高くなる
競合性が高い分野でWeb広告を出稿する場合、費用が高くなる可能性があります。
たとえばリスティング広告の場合、特定の検索キーワードを指定してテキスト広告を出します。
しかし、多くの人が検索するような需要が高いキーワードは競合性が高く、費用がかさみやすいです。
コストを削減するためには、ターゲットのニーズを深掘りして、まだ競合他社が狙っていない手法を選択するのがベストです。
また広告の品質を改善し、クリック率を高めることも費用を押さえることにつながります。
さまざまな広告フォーマットや課金方式があるため、予算や状況に適合した方法を選びましょう。
広告を嫌うユーザーがいる
広告は、企業が宣伝のために用いる手法です。商品をサービスを売り込むために発信するイメージが強く、不快感を感じるユーザーもいます。
目的の情報を探しているときに、興味のない広告が表示されると、ユーザーは邪魔をされたように感じるでしょう。
また、企業自らが発信する情報であるため、口コミやレビューに比べて信頼感を抱きにくい側面もあります。
特に抵抗感の強いユーザーは、広告を表示させないようにアドブロックなどのツールを用いることも。
デメリットを軽減するためには、適切なターゲティングを行い、信頼性や安心感のある広告クリエイティブを作成することが重要です。
ユーザーに適した広告が届くようにカスタマイズすることで、マイナスイメージの予防につながります。
Web広告の種類と特徴
効果的な広告戦略を練るためには、種類や特徴について押さえることが重要です。
Web広告の種類と特徴について、下記の表にまとめました。
Web広告の種類 | 特徴 | 費用目安(月額) |
リスティング広告 |
|
20万~30万円 |
ディスプレイ広告 |
|
20万~数百万円 |
純広告 |
|
20万~100万円 |
アフィリエイト広告 |
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5万~15万円 |
リターゲティング広告 |
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20万~50万円 |
リワード広告 |
|
10万~数百万円 |
ネイティブ広告 |
|
10万~数百万円 |
動画広告 |
|
3万~20万円※動画製作費別 |
デジタル音声広告 |
|
5万~20万円※オーディオ製作費別 |
メール広告 |
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3万~30万円 |
SNS広告 |
|
月額30万~50万円 |
ここから、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!JAPANをはじめとした検索エンジンに出稿できる広告です。
特定のキーワードを入力した際の、検索結果ページで表示されます。
たとえば「SEO」というキーワードを入れて検索すると、下記のようにスポンサーとリンクが表示されます。
通常、自然検索で上位に表示させるためには、SEO(検索エンジン最適化)が必要ですが、リスティング広告ではその必要がありません。
ターゲットは、特定のニーズが想定される顕在層です。リスティング広告によって、意図が明確なユーザーをランディングページやサービスサイトなどに誘導できます。
なお費用は、単価(CPC)×クリック数で決まります。一般的な相場はひと月あたり20万~30万円ほどです。
クリック単価はオークションによって決まるため、出稿するためには他のライバルよりも高い価格で入札する必要があります。入札価格は、キーワードごとに設定可能です。
また、表示されただけでは費用はかからず、クリックされた場合にのみ課金される仕組みです。そのため、コストパフォーマンスに優れています。
リスティング広告の効果を高めるためには、適切なキーワード選定と予算設定が欠かせません。
ターゲットが実際に検索するキーワードを選定し、費用対効果のよい予算設定を行いましょう。
関連記事:リスティング広告とは?仕組みや費用・配信方法について解説
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、写真や動画で視覚的に訴求するタイプの広告です。
出稿先の広告枠に表示されます。たとえばYahoo!JAPANであれば、右の部分がディスプレイ広告にあたります。
Yahoo!JAPANのように利用者数が多いサイトでは、ディスプレイ広告を出稿するのに月数百万の費用が必要になることもあります。
写真や動画などで視覚的にアプローチでき、多くのユーザーに訴求できる手法です。
また一定期間表示され続けるため、自社について知らないユーザーをはじめ、興味関心のある潜在層にまで広くリーチできる点がメリットです。
インパクトが強くユーザーのニーズを捉えた的確なキャッチコピーであれば、コンバージョンしやすい特徴があります。
なお、Googleディスプレイ広告とYahoo!広告の費用目安は次の通りです。
Googleディスプレイ広告 | Yahoo!広告 |
|
|
ディスプレイ広告の費用感は掲載する媒体によっても異なります。複数の媒体を比較し、最適な方法を選択しましょう。
関連記事:ディスプレイ広告とは?仕組みや成功させるポイントを解説
純広告
純広告とは、特定のメディアの広告枠を買い取る手法のことです。代表的なものには、バナー広告やタイアップ広告などがあります。
純公告はメディアの特性に合わせて、ターゲットとなるユーザーに効率的にリーチできる手法です。
たとえばホームページ制作会社であれば、ITエンジニア向けのメディアやブログサイトなどの媒体が適しているといえます。
メリットは、リスティング広告のような運用型の広告と違い、費用を支払うことで確実に掲載できる点です。
ただし、配信期間や費用などが固定されているため、出稿内容を自由にコントロールできません。
そのため変更の必要が生じた場合でも、広告の差し替えが柔軟に行えない場合があります。
費用は媒体ごとに異なり、アクセス数や表示枠などによっても前後します。おおよその相場は月20万〜100万円ほどです。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、アフィリエイターによって広告を掲載してもらう手法です。
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と呼ばれるサービスを仲介して契約を行います。
アフィリエイターがSNSやブログで自社の広告を掲載し、コンバージョンした場合に成果報酬を支払う形です。
コンバージョンしなければ費用は発生しないため、費用対効果が高い手法であることがメリット。費用相場は月5万〜15万円ほどです。
ただし、アフィリエイト広告や紹介文に虚偽・誇大表現などの表示上の問題があると、企業にとってのリスクになります。
2023年の10月に景品表示法のステルスマーケティング規制が施行され、誤認されるおそれのある表示は取り締まりの対象となりました。
そのため、PR表記が分かりやすく記載されていることや、アフィリエイターが誤解を招く表現をしていないかをチェックすることが重要です。
上記についてはWeb広告全般で注意すべきポイントですが、特にアフィリエイト広告の場合は運用状況を細かく把握する必要があります。
適切に活用すれば効果の高い手法であるため、運用後はアフィリエイター任せにしないようにしましょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、サイトに訪れた履歴のあるユーザーに広告を発信する手法です。
Webサイトの情報をユーザーの使用端末に保存する仕組みである「cookie(クッキー)」を利用して、離脱したユーザーを追跡します。
ユーザーは自社サイトの訪問履歴があるため、興味関心がある可能性が高く、コンバージョンにつながりやすいメリットがあります。
なお費用の目安は月20万〜50万円程度が一般的です。
検討中のユーザーに対して訴求できるため、効果に期待できます。
しかし繰り返し何度も表示されると、ユーザーに不快感を抱かせる原因になる点に注意しましょう。
リターゲティング広告の設定をカスタマイズすることで、ユーザーへのストレスを軽減できます。
たとえば直近3ヵ月間のサイト来訪者を除外すれば、最近来訪していないユーザーにのみ再訪問のアプローチをすることが可能です。
文言や表現にも気を配り、押し付けがましくならないように注意しましょう。
リワード広告
リワード広告とはアフィリエイト広告の一種で、ユーザーのアクションに応じて成果報酬が発生する手法を指します。
一方的に広告を表示させる方式ではなく、双方にメリットがあることが特徴です。
スマートフォンユーザーを対象としており、そのほとんどがアプリ内で配信されます。
リワード広告のメリットは、ユーザーが広告に関して心理的な抵抗を持ちにくいことです。
たとえばユーザーが動画広告を見ると、アプリ内で使えるコインやチケットなどが付与されます。
ユーザーにも恩恵があるため、自発的に広告を見ようという気持ちを喚起できます。
なおリワード広告の費用は、「閲覧数」「インストール数」「アプリ内課金額」などの複数の要素によって決まります。
費用感は、アプリ1インストールにつき100円前後です。アプリランキング上位を目指す場合は、数百万円の予算が必要になります。
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、広告のように見えない形で表示させる手法です。
記事やSNSの投稿などに自然な形で表示されるため、ユーザーにストレスを与えにくい特徴があります。
昨今では、SNSのフィード上に通常の投稿と並んで表示されるスタイルや、記事一覧の中に溶け込む形で目にする機会が多いです。
広告に対して抵抗を感じるユーザーにも興味を持たれやすく、自然にクリックを促せる点がメリットです。
ただしユーザーが広告だと気づいたとき、場合によってはマイナスイメージをもたれる可能性があります。
潜在層にもアプローチしやすいですが、ユーザーの心理を考えた質の高いクリエイティブを作成することが重要です。
費用は掲載先の媒体やフォーマットによって大きく異なりますが、月々およそ10万〜数百万円で出稿できます。
動画広告
動画広告とは、動画フォーマットを用いた広告の総称です。
テキストや静止画よりも多くの情報を伝えられ、多彩な表現ができるメリットがあります。
インタビュー形式やストーリー仕立てなど、さまざまな表現方法で見ごたえのある内容の動画を作成できます。
またスキップ可能な動画広告など、ユーザーにストレスを与えにくい方法を選択することも可能です。
印象に残りやすいため効果に期待できますが、他の手法に比べて制作費用が高くなりやすい点がデメリットです。
動画広告制作の料金相場は10万〜300万円ほどですが、依頼内容により数万円から1千万円を超えるケースも。
制作した動画の運用は、1日あたり約1,000円程度から始められます。媒体ごとのおおよその費用感は次の通り。
媒体 | 動画広告の費用感 |
YouTube |
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|
|
Facebookと同様 | |
X | インプレッション課金:2~100円 |
TikTok |
|
なお動画広告にかかる費用は、あらかじめ設定した予算や内容に応じて決まります。
制作費用は高くなりやすいですが、運用自体は低コストから始めることが可能です。
関連記事:動画広告とは?種類や料金体系・制作時のポイントを解説
デジタル音声広告
デジタル音声広告は「オーディオ・アド」とも呼ばれており、音声を使った広告を配信する手法です。
海外では大きく市場が成長しており、日本でも今後さらに成長すると予測されます。
デジタル音声広告を出稿できる代表的なプラットフォームには、下記のサービスが挙げられます。
- Audible(Amazonオーディオブック)
- Spotify(音楽配信サービス)
- radiko(インターネットラジオサービス)
ラジオ広告との違いは、ユーザーの属性に応じて配信できる点です。
ターゲティングができるため、アプローチしたいユーザーに絞って広告を届けられます。
また、別の作業をしながら視聴できる手軽さと広告感の少なさから、スキップされにくい点がメリットです。
ユーザーの視聴傾向から、関心の高そうな音声広告を配信するため、違和感や不快感を軽減できます。
費用相場の目安は月々5万〜20万円程度で、別途オーディオ制作費がかかります。
メール広告
メール広告とは、電子メールを活用して広告を出稿する手法です。
見込み顧客に直接アプローチできることから、コンバージョン率が高いメリットがあります。
html形式を使えば、画像の使用やテキストやフォントのカスタマイズを行うことも可能です。
ただし、受信するユーザーの環境によっては、メールが正しく表示されない点に注意しなければいけません。
また、本文にリンクを添付する際にタグを挿入することで、開封率やクリック率を確認できます。これにより、メール広告の効果測定を行うことが可能です。
クリエイティブ制作の手間が少なく手軽に発信できますが、開封されない場合や迷惑メールと判断される恐れがあります。
メール広告の効果を高めるためには、ユーザー層をよく理解して配信する必要があるでしょう。
配信課金方式であれば1件あたり10〜100円、クリック課金方式であれば300〜800円ほどが費用目安です。
SNS広告
SNS広告は、FacebookやInstagram、LINEなどのSNS上に広告を出稿する方法です。
さまざまなSNSがあり、年齢層やユーザーの趣味・趣向などに応じて最適な出稿先を選べます。
広告が自然に溶け込みやすく、ユーザーに違和感やストレスを与えにくい特徴があります。
また活用できるデータが多いため、ターゲティング精度が高いこともメリットの一つです。
ここから、次の主要なSNS広告について解説します。
SNS広告の種類 | 特徴 |
Facebook広告 |
|
Instagram広告 |
|
X広告 |
|
LINE広告 |
|
TikTok広告 |
|
それぞれの特徴を把握し、最適なSNS広告を選択してください。
Facebook広告
Facebook広告の特徴は、SNS広告の中でも特に精度の高いターゲティングができることです。
Facebookは実名制のSNSで、年齢、性別、地域、興味関心、行動履歴などのさまざまな指標から詳細にターゲットを指定できます。
ビジネス目的で活用する30〜40代のユーザーが多いため、BtoBに関連する商材は相性が良い傾向にあります。
また広告フォーマットが豊富で、画像や動画などを活用して効果的にアプローチできることも魅力です。
インサイト分析ツールを活用することで、広告効果の詳細な分析ができます。
Instagram広告
Instagramは、Facebookと同じメタ社が運営するSNSです。
そのためInstagram広告では、Facebookと同様の広告フォーマットを選択でき、精度の高いターゲティングが行えます。
年齢層は20〜30代が多く、トレンドに敏感なユーザーが多いのが特徴です。
写真やショートムービーが画面の多くを占めるため、インパクトの強いクリエイティブを発信できる点が魅力です。
またインフルエンサーマーケティングとの相性も良く、広告と組み合わせることで拡散に期待できるでしょう。
X広告
X広告とは、X(旧Twitter)に配信できる広告のことです。
リアルタイム性が高いSNSであるため、情報収集に熱心なユーザーへアプローチできます。特に10〜20代のユーザーが多く、若年層にリーチしやすいです。
ストーリー性のある文章や、インパクトのあるキャッチコピーなどを活用すれば、注目されやすくなるでしょう。
短い文章が主体のSNSですが、テキストと画像と組み合わせることでより効果を発揮できます。
X広告はフィード上に違和感なく広告が掲載されるため、ユーザーの目に止まりやすいのがメリットです。
また、拡散性に優れていることも特徴の一つ。広告が多くのユーザーにとって共有したくなるような内容であれば、二次的な拡散にも期待できるでしょう。
LINE広告
LINE広告の特徴は、幅広いユーザーに商品やサービスを訴求できることです。
LINEは国内9,600万人以上のユーザー数を誇るSNSで、幅広い世代から高い割合で利用されています。
そのため、他のSNSを使用していない潜在的なユーザーにも広告を届けられます。
「トークリスト」や「LINE NEWS」「LINE VOOM」と呼ばれるショート動画プラットフォームなどに配信でき、少ない費用から出稿可能です。
また「LINE Dynamic Ads」というサービスを利用すれば、ユーザーの商品閲覧履歴をもとに、興味がありそうな商品をカスタマイズして表⽰できます。
これにより広告を最適化できるため、ユーザーのストレス軽減につなげられます。
TikTok広告
TikTokはショートムービーを発信するSNSです。主に10~20代の若者から支持されています。
投稿されている動画は15~280秒ほどと短く、編集が容易で投稿のハードルが低い特徴があります。
特にテンポが良くインパクトの強い動画は、印象に残りやすいことから人気です。
TopViewやインフィード広告などの動画フォーマットだけでなく、ハッシュタグチャレンジといったUGCを促せる企画型の広告もあります。
Web広告の課金方式
Web広告の課金方式には、下記の6種類があります。
課金方式 | 特徴 | 主な広告フォーマット |
クリック課金 (CPC) |
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インプレッション課金 (CPM) |
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エンゲージメント課金 (CPE) |
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SNS広告 |
成果報酬課金 (CPA) |
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動画視聴課金 (CPV) |
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動画広告 |
掲載期間保証型課金 (CPD) |
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配信数型課金方式 |
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メール広告 |
課金方式によってメリットやデメリットが異なるため、広告の目的やターゲット層、予算などに合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
また広告の種類や媒体によって、適用される課金方式は異なります。
複数の広告フォーマットを採用する場合は、それぞれに対して効果測定を行いましょう。
出稿したい広告の課金方式を確認し、費用対効果の高い手法を選択してください。
Web広告の選び方
Web広告を出稿する際、自社に合った方法を選択しなければ成果につながりません。
適切なWeb広告を選ぶためには、下記のポイントを押さえることが重要です。
- ターゲットや目的に合わせて選ぶ
- 商品やサービスにマッチした媒体にする
- 予算に合った手法を選択する
これらのポイントを踏まえて、効果の高い広告手法を選択しましょう。
ターゲットや目的に合わせて選ぶ
Web広告を選ぶ際は、ターゲットや目的を明確にすることが必要不可欠です。
たとえば自社の認知拡大を図りたいときと、ブランディングをしたいときとでは、最適な手法が異なります。
認知拡大を図りたい場合は、自社について知らないユーザーにも広くリーチできる「ディスプレイ広告」や拡散性の高い「SNS広告」などが向いています。
ブランディングの場合は、視覚的な訴求に適した「動画広告」や見込み顧客にアプローチできる「メール広告」などが候補に挙がるでしょう。
目的に即した広告手法を選択しないと、自社の不信感やイメージダウンを招き、逆効果につながる恐れもあります。
また、正確にターゲットへリーチできるかも考えなければいけません。
特定のメディアやSNS広告などを利用する際は、ターゲットに即したプラットフォームであるかを十分に考慮してください。
たとえばリスティング広告の場合は、出稿したキーワードが想定しているターゲット層と実際には異なっている場合もあります。
年齢や性別、地域などを詳細に指定できる方法ほど、ターゲティングを誤ると適切に広告が届きません。
出稿を始める前に上記の点について検討し、ターゲットや目的と合致した方法で進めることが重要です。
商品やサービスにマッチした媒体にする
ターゲットや目的が明確でも、商品やサービスの性質とマッチしなければ、最大限に効果を発揮できません。
たとえば専門性の高いサービスについて広告を発信する場合、TikTokのようなライト層向けのSNSではユーザーに刺さりにくい可能性があります。
もっとも魅力的に宣伝できる場所を見つけるためには、商品やサービスの特徴を正しく把握することが重要です。同時に、発信先の媒体の特性についての理解も深めましょう。
また商品やサービスにマッチした媒体を見つけるためには、競合他社がどのような媒体で広告を展開しているか分析する方法が役立ちます。
商品やサービスの特徴と媒体の特性を踏まえ、最適な方法を選択しましょう。
予算に合った手法を選択する
Web広告を出稿する際は予算を決め、その範囲内で運用するように心がけましょう。
複数のWeb広告を用いる場合は、選択した方法や課金方式ごとに予算を決定します。なぜなら、効果測定や費用対効果の比較が行いやすくなるためです。
予算設定を怠ると、広告運用の過程で何度も調整を行う必要があり、時間と労力が無駄になる恐れがあるでしょう。
また予算が不足すると、十分な効果が出ない可能性もあります。事前に設定した予算に合った最適な方法を選定しましょう。
Web広告の効果を高めるポイント
Web広告は潜在顧客へのアプローチや認知度向上など、さまざまな効果が期待できる手法です。
ただし効果を出すためには、単に広告を出稿するだけではなく、下記のポイントを踏まえて運用することが大切です。
- ターゲットの心理を読み解く
- 魅力的なクリエイティブを作成する
- 運用フローを確立する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
ターゲットの心理を読み解く
Web広告の効果を高めるためには、ターゲットの心理を正しく読み解くことが重要です。
まず、想定するターゲット設定に誤りがないかを確認しましょう。
顧客データを分析せずに、感覚でターゲット設定を行うと失敗しやすいです。
適切なターゲットを設定するためには、
- 顧客アンケート
- インタビュー
- SNS分析
- 市場調査
- 競合分析
などから情報収集を行い、顧客のニーズや課題を理解する必要があります。
実際に得られたデータからペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成を行い、それらに基づいて広告施策の運用を行いましょう。
上記の点を押さえることでターゲットへの精度が高まり、自社の商品やサービスを必要としているユーザーのもとに広告を届けられます。
またユーザーの心に響かせるためには、メリットが感じられる広告である必要があります。
商品やサービスから得られる効果や利益を分かりやすく、ユーザー目線で伝えることを心がけましょう。
成果を高めるためには、広告クリエイティブやターゲティングだけでなく、ランディングページなど全体の改善を図るようにしてください。
目標達成につなげるためには、コンバージョンに至るまでの間、ユーザーのモチベーションを維持することが大切です。
ターゲット心理に沿った仮説を立てて、細かく検証しましょう。
魅力的なクリエイティブを作成する
魅力的な広告クリエイティブを作ることは、ユーザーの興味を引き、コンバージョン率を高めるために必要不可欠です。
ユーザーが広告をじっくり見ることは多くありません。広告が表示されると、ユーザーは自分に興味のあるものかどうかを数秒で判断します。
したがって内容まで目を通してもらうためには、最初の段階で惹き込むことが重要です。
訴求ポイントが一目で理解できるクリエイティブを作るためには、キャッチコピーや画像、動画などを最大限に活用しましょう。
必要に応じて、数字や事例などを用いながら商品やサービスへの信頼性を高めることで、広告からの離脱防止につなげられます。
またユーザーの行動を促しやすくするために、ボタンやフォームを適切な位置に配置することも重要です。
魅力的なクリエイティブで魅力を訴求し、ユーザーの購買意欲を高めましょう。
運用フローを確立する
Web広告を効果的に運用するためには、「何を」「いつ」「どのように」行うのかを明確にした運用フローを確立することが重要です。
Web広告を運用するには、まず目的や予算、顧客ニーズ調査、競合分析などに基づいて媒体や出稿内容を決め、配信をスタートします。
代理店に委託するか、自社で運用するかによってもプロセスは大きく異なりますが、いずれの場合もスケジュールや進捗状況を共有することが重要です。
運用にあたっては、KPIを設定して現状を可視化しながら進めるようにしましょう。
これにより達成度や進捗状況を明確に把握でき、成果が出るまでの時間短縮やコスト削減に貢献します。
また、Web広告の効果を出すためには、効果測定と分析が必須です。
適切な効果測定と分析の実施により、コンバージョン率が高いユーザー属性の把握や、効果のあった広告の見極めにつながります。
分析結果に基づいて、クリエイティブの改善やターゲティングや予算の調整を行うことで、広告効果の底上げができるのです。
Web広告を運用する際はPDCAサイクルを回し、改善を繰り返すことを心がけてください。
まとめ:Web広告の特徴を把握し最適な手法を選ぼう
Web広告の運用によって、売上向上や顧客獲得など、企業のさまざまな目標達成に貢献できます。
効果を高めるためには、ターゲット分析や競合調査、予算の最適化、効果測定などを行う必要があります。
また取得したデータを活用するためには、読み解くための知識や技術も不可欠です。
Web広告の運用に不安のある方は、広告代理店やWebマーケティング会社に相談するのもおすすめです。
Web広告の特徴を把握し、自社に最適な方法で効率的に目標達成を目指しましょう。
株式会社eclore Web Director / Marketing Director
デザイン専門学校を卒業後、2012年に入社。Web領域を中心に、コーポレートや採用サイト、メディアサイトなどのデザイン、コーディング業務に従事。また、リスティングを中心とした広告運用も担当。SEO・広告の観点で優位性のあるWeb制作を得意としています。Web制作数 年間100以上 / 広告運用額 年間2億円以上。