インターネット上の通信を暗号化することを「SSL化」といいます。第三者によるデータの盗聴や改ざんを防止し、Webサイトのセキュリティを向上します。現在はWebサイトのSSL化がGoogleの評価指標の一つになっており、法人や個人問わず対応が必須です。
しかし、SSL化がSEOに与える効果やメリットを、把握しきれていないWeb担当者もいるでしょう。
そこで本記事では、SSL化がSEOに与える影響を解説します。
通信を暗号化するために必要なSSL証明書についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
目次
SSL化とは?Googleアルゴリズムとの関係性
SSL化(常時https化)は、インターネット上のデータ通信を暗号化する行為です。
従来のhttpは、Webサイトの脆弱性が懸念されていました。SSL化することでデータの改ざんや盗聴を防ぎ、セキュリティを強化できるようになりました。
以前は個人情報を扱うページでしか導入されていませんでしたが、2023年5月時点では全体の約95%がSSL化に対応しています。
SSL化が広まった背景には、Googleのアルゴリズムが関係しています。Googleは2014年に「データ通信がhttpsによって暗号化され、安全な接続が確立できているWebサイトを優先的に評価する」と表明しました。
これによりSSL化するWebサイトが増え、今や法人・個人問わずSSL化への対応は必須となりました。
SSL証明書の種類とSEO効果
WebサイトをSSL化するには「SSL証明書」が必要です。
SSL証明書は、通信データを暗号化するための電子証明書です。情報の改ざんや盗聴を防止する「暗号化機能」や、運営企業の身元を確認する「実在証明」の2つの機能を持ちます。
SSL証明書は以下の3つに分類されます。
- DV証明書
- OV証明書
- EV証明書
SEO効果に差はないといわれていますが、個人情報を取り扱う可能性があるWebサイトは「EV証明書」の発行を推奨します。それぞれの特徴を見ていきましょう。
DV証明書(ドメイン認証)
DV証明書は、Webサイトのドメイン名を認証するためのものです。通信データの暗号化に特化しており、身元保証の機能はありません。
無料で入手できるものが多く、法人・個人のどちらも利用できます。
OV証明書(実在証明)
OV証明書は、ドメイン名に加えて運営元の会社名や所在地も認証できます。第三者データによる照会や電話をもとに実在するか確認するため、DV証明書より信頼度が高いのが特徴です。
基本的に法人のみが発行でき、費用は5万円程度です。
EV証明書
EV証明書は、ドメイン名や運営元情報の認証に加え、ガイドラインに沿った厳格な審査が実施される最も信頼性の高い証明書です。高度なセキュリティを必要とするECサイトやネット銀行などで利用されます。
発行価格は20万円以上です。認証手順の多さや信頼性の高さから、他の証明書より相場が高く設定されています。
SSL化するメリット
SSL化するメリットは以下の3つです。
- 検索エンジンから高く評価される
- 警告表示による離脱を防ぐ
- ページ表示速度の向上
Webサイトのセキュリティを強化するだけでなく、SEO効果も期待できます。それぞれ順番に解説します。
検索エンジンから高く評価される
SSL化されたWebサイトは、ユーザーが安全な接続を確保できる信頼性の高いサイトと認識されます。
ただし、SSL化したからといって必ず上位表示されるわけではありません。現在は、Google上の約95%のWebサイトがSSL化に対応しています。
そのため、未導入だと順位が下がるという認識の方が正しいでしょう。SEOに対するマイナスな要素をなくすためにも、SSL化への対応は必須といえます。
警告表示による離脱を防ぐ
一部のブラウザでSSL化されていないWebサイトにアクセスすると、「このサイトへの接続は保護されていません」と警告文が表示されます。ユーザーが警告表示を見た際、個人情報の漏えいやフィッシング詐欺などのリスクを恐れて、ページを離脱する可能性が高まります。
WebサイトをSSL化すれば警告文は消え、アドレスバーに「この接続は保護されています」と鍵マークが表示されます。
ページ表示速度の向上
WebサイトをSSL化すると「HTTP/2」の通信方法を利用できるようになり、ページ表示速度の高速化を図れます。
ページの表示速度は、Googleの検索順位を決定する要素の一つになっています。表示速度が速いWebサイトは、遅いものに比べてSEO評価が高くなります。
また、ページの表示速度が上がることにより、ユーザビリティの向上も図れます。
Googleが調査したデータによると、表示速度が3秒かかったページの離脱率は、1秒のものと比べて53%上昇すると報告されています。
SEOやユーザビリティの観点から見ても、SSL化は必須といえます。
検索順位の対策方法について詳しく知りたい方はこちら>>>Googleの検索順位が下がったときに考えられる原因と対処法
SSL化するデメリット
SSL化は、SEO評価やユーザビリティの向上を期待できる反面、以下のようなデメリットも存在します。
- 検索順位が不安定になる可能性も
- ソーシャルボタンがリセットされる
それぞれ見ていきましょう。
検索順位が不安定になる可能性も
SSL化すると、今までのhttpに加え、httpsの新たなURLが生成されます。
つまり、内容の同じWebサイトが2つ存在することになります。内容は全く同じでも、URLが異なる限り検索エンジンは別のサイトと認識します。
そのため、httpsに移行している間は検索順位が下がったり不安定になったりして、アクセス数が減少する可能性があります。
しかし、移行が完了すれば元に戻ることが多いので、心配する必要はないでしょう。
ソーシャルボタンがリセットされる
Webサイトのアドレスがhttpからhttpsに変更されるため、ソーシャルボタンのカウントがリセットされます。
SNSシェアを多く獲得していたWebサイトの場合、リセットされることでユーザの行動や関心度に変化が起きる可能性があります。
SSL化した後にすべきこと
正当なSEO評価を得るためにも、SSL化した後は以下の設定をしましょう。
- 301リダイレクトで転送処理をおこなう
- canonicalタグを確認する
- SEOツールの再設定
それぞれ解説します。
301リダイレクトで転送処理をおこなう
SSL化しても、今までのhttpのWebサイトは残り続けます。そうなると、新たに作成されたhttpsは別サイトと認識されるため、SEO評価が分散する恐れがあります。
解消するには「301リダイレクト設定」が必要です。Webサイトを移転先に自動転送し、httpのSEO評価を引き継ぎましょう。
(1).htaccessファイルを作成
(2)メモ帳で開き、以下のリダイレクトタグを記述して保存
RewriteEngine on RewriteCond %{HTTPS} off RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L] |
(3)サーバーのトップディレクトリへアップロードする
アップロードが完了したら、リダイレクトチェックツールを使用して正しく設定できているか確認しましょう。
canonicalタグを確認する
canonicalタグは、検索エンジンにWebサイトの正規URLを示すためのタグです。301リダイレクトをしておけば基本的に問題はありませんが、念のため確認しておくと安心でしょう。
canonicalタグは、head要素内の上部に記載されます。httpのままであれば、httpsへ修正してください。
<link rel=”canonical” href=”http://〜/> ↓ <link rel=”canonical” href=”https://〜 /> |
SEOツールの再設定
SSL化した後は、Googleサーチコンソールやアナリティクスなど、各種SEOツールの再設定が必要です。
すでに登録が完了していたとしても、httpの状態であることがほとんどです。httpsのURLを新たに登録しなければ、適切なデータを取得できません。
WebサイトをSSL化した際は、忘れずに対応しましょう。
まとめ:WebサイトをSSL化して安全性や信頼性を向上しよう
SSL化は、インターネット上の安全な接続を確立するための必須事項です。Googleの検索順位を決める要素の一つでもあるため、現在は多くのWebサイトがSSL化に対応しています。
まだ移行が完了していない場合は、SEO評価を下げる原因にもなるので早急に対応しましょう。なお、個人情報を取り扱うWebサイトは、信頼性や安全性向上のために「SSL証明書」の発行もご検討ください。
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