CV(コンバージョン)とは、Webマーケティングにおける成果を指します。
コンバージョンの指標を正しく活用することで、Webサイトの成果を高められます。
今回はコンバージョンの概要や種類、改善方法などについて具体例を交えてわかりやすく解説します。
コンバージョンへの理解を深めたい方や、Webサイトの改善を図りたい担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
CV(コンバージョン)とは?
CVとは「Conversion(コンバージョン)」の略で、もともとは「変換」や「転換」といった意味を持つ言葉です。
サイトを訪れたユーザーが、ファンや顧客に転換するという意味から用いられるようになりました。
主にWebマーケティングの分野における成果を意味します。
たとえば「商品購入に至る」「資料請求をする」など、サイトを訪れたユーザーの特定の行動がコンバージョンに該当します。
コンバージョンはWebサイトの目標を定義し、達成までのプロセスを改善するうえで重要な指標です。
またWebマーケティングの分野では、次のようなコンバージョンに類似する言葉がいくつか登場します。
- CVR(コンバージョン率)
- CTR(クリックスルーレート)
- PV(ページビュー)
これらの指標とコンバージョンとの違いについても把握することで、施策改善に役立つでしょう。
CVR(コンバージョン率)との違い
CVは単にコンバージョン数であるのに対して、CVR(コンバージョン率)は割合を指します。
CVRは、Webサイトや広告を訪れたユーザーのうち、実際に目標達成に至ったユーザーの割合を示す指標です。
CVRは、CV数を訪問者数やセッション数などで割って算出します。
たとえば1ヶ月の間に100人のユーザーがWebサイトを訪れ、10人が商品購入に至ったとします。この場合、CVRは10%です。
なおCVRは、Googleアナリティクスで確認できます
Googleアナリティクスにログインし、「コンバージョン」→「目標」→「概要」の順にクリックすることで閲覧可能です。
CVRを求めることで、サイトや広告の効果を測定できます。
関連記事:Googleアナリティクスとは?設定方法や導入手順・使い方を解説
CTR(クリック率)との違い
CTRとは、広告が表示された回数(インプレッション数)に対して、どれだけクリックされたかの割合を表す指標です。
コンバージョン率を高めるためには、まずサイトに訪れてもらう必要があります。
そのためCTRが少ないと、コンバージョンを高めることができません。
なおクリック率は次の式で算出できます。
CTR(クリック率)=クリック数÷表示回数×100 |
CTRを向上させるためには、広告の文言や画像を改善する、ターゲティングを絞り込むなどの対策が必要です。
PV(ページビュー)との違い
CVRはサイトや広告の効果を表す指標であるのに対し、PV(ページビュー)はサイトへのアクセス数を表す指標です。
PVは、特定の期間内にWebサイトのページが閲覧された回数を表しています。
なおユーザーが1つのページを複数回開いた場合でも、閲覧したページ数をカウントします。
PVを向上させるためには、サイトのコンテンツを充実させたり、SEO対策を施すなどの対策が必要です。
CV(コンバージョン)の具体例
コンバージョンの指標は、自社で設定した最終的な目標に基づいて決定します。そのため、Webサイトによってコンバージョンは異なります。
コンバージョンの具体例は、次のとおりです。
ECサイト |
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BtoB |
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BtoC |
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その他 |
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なお、コンバージョンは目的に応じて複数設定して構いません。
最終的なコンバージョンに至るまでの中間設定である「マイクロ(マクロ)コンバージョン」を設定するのも有効です。
コンバージョンまでのプロセスが明確になり、改善項目が分かりやすくなります。
CV(コンバージョン)の種類
Webサイトの成果を図る指標であるコンバージョンには、下記の6種類があります。
- 直接コンバージョン
- 間接コンバージョン
- ユニークコンバージョン
- 総コンバージョン
- ビュースルーコンバージョン
- クリックスルーコンバージョン
これらの特徴や違いを知ることで、目的に応じた指標を用いることが可能になります。それぞれの特徴を理解しましょう。
直接コンバージョン
直接コンバージョンとは、ユーザーが直接サイトにアクセスしてコンバージョンに至ることです。
Webサイトに訪れたユーザーが、そのまま資料請求や商品購入などを行います。
直接コンバージョンの指標が高い場合は、経路に無駄がなく、スムーズに最終成果までたどり着いていることがわかります。
顧客のニーズをつかみながら、最後までモチベーションを保つことにより成し遂げられる理想的なコンバージョンです。
間接コンバージョン
間接コンバージョンとは、一度Webサイトに訪れたユーザーが離脱し、再度訪問した際にコンバージョンに至ることです。アシストコンバージョンとも呼ばれます。
たとえば、複数のランディングページを比較してからサービス申し込みに至るような場合は、間接コンバージョンです。
直接コンバージョンと違う点は、消費者の複雑な心理や行動が絡んでいることです。
たとえばユーザーがランディングページを見た翌日に、必要性を感じてサービス名を検索し、コンバージョンに至るようなケースがあります。
間接コンバージョンを参考にすることで、ユーザーがWebサイトを訪れたあと、どのようなプロセスを経て成果に至ったかを把握する手がかりになります。
ユニークコンバージョン
ユニークコンバージョンとは、同じユーザーが複数回コンバージョンした場合、最初のアクションのみをカウントする指標です。
1人のユーザーが商品をまとめて購入したとしても、それを一つの成果と見ます。
総コンバージョンの場合は、成果は商品を購入した数ですが、ユニークコンバージョンの場合はユーザー数ということになります。
ユニークコンバージョンは、顧客獲得に焦点を当てた重要な指標です。参考にすることで顧客獲得コストや、顧客生涯価値(LTV)の算出に役立ちます。
総コンバージョン
総コンバージョンとは、同じユーザーが複数回コンバージョンした場合も含めて、すべてをカウントする指標です。
たとえば同じユーザーが商品を5回購入した場合、総コンバージョン数は「5」になります。
全体の総量であるため、他の指標と比較する際に活用できるのがメリットです。
たとえばユニークコンバージョンと比較すれば、新規顧客の獲得状況や、既存顧客の育成が上手くいっているかを把握できるでしょう。
リピート購入数を比較すれば、どの程度リピーターが獲得できたか予測できます。
総コンバージョンを活用することで、サイトや広告全体の効果を高められます。
ビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンとは、広告を見たユーザーが離脱したあとに、再度訪問してコンバージョンに至った数のことです。
ユーザーのブラウザに紐づけられた「Cookie」をもとにトラッキングされ、どのような経路でコンバージョンに至ったかを計測します。
ただし、プライバシー保護の観点からCookie規制が厳しくなったことや、ユーザーがトラッキングを拒否していると計測できない面に留意しなければなりません。
計測の精度には限界があるため、正確な数値を知ることは難しい点があります。
クリックスルーコンバージョン
クリックスルーコンバージョンとは、広告をクリックしたユーザーがそのまま直接コンバージョンすることです。
なお直接コンバージョンや、後日商品購入に至る間接コンバージョンも、クリックスルーコンバージョンに含まれます。
ビュースルーコンバージョンとの違いは、広告をクリックしたかどうかです。
広告をクリックせずにコンバージョンした場合は、ビュースルーコンバージョンとして集計されます。
CVR(コンバージョン率)を高める方法
目標達成のためには、CVRを高めることが重要です。下記のポイントを押さえることでCVRの改善につながります。
- CVまでの動線を見直す
- LPOを実施する
- EFOでユーザーの離脱を防ぐ
- ロジックツリーを活用する
- PDCAサイクルを回す
それぞれについて解説します。
CVまでの動線を見直す
コンバージョンを増やすためには、CVまでの経路を見直しましょう。
そもそもクリックされないとコンバージョンは発生しないため、まずはCTRを高めることが重要です。
検索からの流入を増やしたい場合は、SEO(検索エンジン最適化)を実施します。すぐに集客したい場合は広告を活用するとよいでしょう。
クリック率やCVRを改善するためには、サイトや広告のコンテンツを見直し、ターゲティングを絞り込むなどの対策が必要です。
また、Webサイトを訪れたユーザーが離脱する要因について突き止めることも大切でしょう。
たとえばユーザーが目的のページにたどり着けなかった場合や、説明に不明瞭な点があり納得できなかったケースなどが考えられます。
これらを改善することで、CVRを増やせるようになります。
LPOを実施する
CTRは問題ないのに、ランディングページからコンバージョンにつなげられない場合は、LPOを実施しましょう。
LPO(Landing Page Optimization)とは、ランディングページをユーザーのニーズに合わせて改善し、リード獲得や売上向上につなげる施策のことです。
LPOを図るには、ユーザーが求めるニーズを予測し、セールスポイントが伝わるランディングページにする必要があります。
具体的にはキャッチコピーや画像、ボタンの配置などを改善することで、ユーザーの途中離脱を防げるようになります。
また、LPOにおいてはA/Bテストの実施が欠かせません。複数のパターンを用意してテスト検証を行うことで、効果の高いランディングページを見つけ出せます。
EFOでユーザーの離脱を防ぐ
EFO(Entry Form Optimization)とは、資料請求や会員登録のような入力フォームを改善する施策のことです。
EFOの目的は、ユーザーのストレスを軽減してCVRを高めることです。
申し込みフォームを送信する際に、最後まで入力するのが面倒になり、途中でやめてしまった経験がある方もいるでしょう。
EFOではフォーム項目数を減らしたり、入力を補助したり、完了までのステップを分かりやすくしたりといった改善を行います。
これによりユーザーのモチベーションを維持し、スムーズなコンバージョンを後押しします。
ロジックツリーを活用する
具体的に何から改善していけば分からないという場合は、ロジックツリーを活用してみましょう。
ロジックツリーとは、問題解決策を考えるためのフレームワークです。
マインドマップなどを活用し、各要素を枝分かれさせながら、複数の課題を明らかにするのに役立ちます。
また要素を洗い出しながら、「すぐに取りかれる改善策」や「コストが押さえられる方法」「重要度が高い課題」など優先順位をつけて取り組める点もメリットです。
現状の課題を可視化でき、対策を講じやすくなります。
PDCAサイクルを回す
CVRを高めるために施策を講じる際は、PDCAサイクルを回すようにしましょう。
PDCAサイクルとは「計画」「実行」「評価」「改善」のプロセスを繰り返すことです。
CVR向上においては、現状分析を実施して現状の課題を特定し、改善を実施します。
たとえばランディングページの離脱率が高い場合は、訴求内容をより明確にしたり、読みやすいデザインにしたりなどの改善を行います。
その際、ヒートマップやアクセス解析ツールを活用することで、ユーザー属性や行動の把握に役立ちます。
改善を行ったあとは効果測定を実施し、施策の評価をしましょう。
まとめ:Webサイトを改善してCVにつなげよう
CVRを高めるためには、ユーザーの行動を分析し、サイトや広告を改善する必要があります。
そのためにも、目的に応じた適切なコンバージョン指標を活用しましょう。
また目標を達成するためには、コンバージョンまでの動線を見直し、広告やランディングページだけでなくサイト全体を改善することが重要です。
本記事を参考に、CVRの向上を図ってください。